管理不完全空き家ってどんなもの? 空き家の税金が上がるって本当?
法改正で厳しく
上記のように、「特定空家等」に指定されると固定資産税の減額措置がなくなりますが、今回の法改正で「管理不全空家」という区分けができました。つまり、新しいカテゴリーができたことになります。 この「管理不全空家」とは、適切な管理がされていない空き家を放置した結果、前述の「特定空家等」に該当する恐れがある状態の空き家のことをいいます。行政がその空き家の所有者に対し、改善の指導や勧告が実施できるようになっただけでなく、固定資産税の住宅用地の特例の解除の対象にもなりました。 つまり、200平方メートルまでの小規模住宅用地は、固定資産税が6分の1、都市計画税の課税標準が3分の1軽減が適用されていますが、適用されなくなると大幅に納税額が増えます。 空き家の状況を時系列的に並べると、管理状態が悪くなるにつれて、空き家→「管理不全空家」→「特定空家等」となります。
相続等で取得した家屋はどうするのがいいの?
では、相続等で取得した家屋(空き家)を放置しないようにするには、どのような方法があるのでしょうか。いくつかの方法がありますが、主なものは下記のとおりです。 1.土地建物をそのままの状態で売却する 最も手間がかからないのは、そのまま売却する方法です。その場合、購入者がその家屋を使ってリノベーション等を行うことも可能ですし、更地にして建て直すということもあります。この場合、更地にする費用分売却費用が安くなります。 2.家屋を解体し更地にして売却する 建物を解体し、更地にしてから販売もできます。一般的には更地で販売するほうが良いとされています。解体費用は木造や鉄骨造等で変わってきます。 3.リノベーションや建て替えをして売却、あるいは賃貸にする 1、2は売却という選択肢でしたが、賃貸物件にして資産の一部にもできるでしょう。特に立地の良い土地の場合、賃貸用に建て替えや改築等をして貸し出すのもよいかもしれません。 ただし、人によってその場所や家屋に対しての思い入れが異なりますので、どれが正解とも言いづらいです。
コミュニケーションが大切です
空き家問題は、子どもが遠方にいる場合だけでなく、仮に近所でも子どもが別に住宅を所有している場合にも発生する可能性があります。 親子間だけでなくきょうだい間でも、将来的に親の住宅をどのようにするのか話し合っておき、空き家の管理等を考えておかないと、税金等で思わぬ出費が増える可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。 出典 e-GOV 法令検索 平成二十六年法律第百二十七号 空家等対策の推進に関する特別措置法 執筆者:田久保誠 田久保誠行政書士事務所代表
ファイナンシャルフィールド編集部