好きでも枝分かれしていく道。三姉妹の連帯のゆくえは 『9ボーダー』9話
19歳・29歳・39歳。節目の年齢を目前にした三姉妹が「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の「3L」について悩み、葛藤し、それぞれの答えを見つける過程を描くヒューマンラブストーリー『9ボーダー』(TBS系)。第9話、神戸に戻ったコウタロウ(松下洸平)の決断と、大庭七苗(川口春奈)の想いの行く先は? 【イラストで見る】ドラマ『9ボーダー』
不発に終わる、29歳・一世一代の勝負
いったん神戸に戻ったコウタロウ(松下)を追って、夜行バスに乗った七苗(川口)。コウタロウの心中や、元いた環境に思いを馳せ、身を引こうとしていた彼女にとっては快挙といえる行動だ。 大庭家の長女・六月(木南晴夏)も、七苗の選択に対して、三女の八海(畑育芽)に「覚えておくといいよ。人は年を重ねるとね、自分のことを守るのが上手くなって、傷つくのを上手に回避するの。でも七苗は傷ついても、恥をかいても、追いかけるって決めた。すごい覚悟だと思う」と言っている。自ら傷つき、恥をかきに行くことを選んだともいえる七苗だが、大企業の副社長であったコウタロウ……もとい、芝田悠斗には直接会えずに終わった。 まさに、七苗にとって「一世一代の勝負」だったにも関わらず、不発。その後、コウタロウから電話がくるものの、先回りして優しさを見せてしまう、七苗のいつもの癖が発動する。 互いのことを大事に思うがゆえの、すれ違い。このすれ違いが、後々、コウタロウのとある“決断”に影響を与えてしまう。 東京に戻ってきた七苗は、おおば湯リニューアルのため、にわかに忙しくなる。ローンの重みが両肩にのしかかるなか、何がなんでも成功させねばならない状況に、プレッシャーも大きい。こちらも29歳、一世一代の勝負だ。 クリアしなければならないミッションが目の前にあるおかげか、確かにコウタロウと過ごした時間がここにあった、と折々に思い出されるなかでも、七苗は懸命にできることをしている。自分にできることを精一杯やることで、コウタロウの存在を忘れようとしている。