契約料5万の提示に10万で逆提案すると、有能な士業を見抜ける理由。(横須賀輝尚 経営者)
■積極的にセカンドオピニオンを。
正直、これも士業の世界からは総スカンくらう可能性があるのですが、士業のセカンドオピニオンは積極的に持つべきでしょう。 本当に士業の実力差は大きい。ひとりの士業への依頼だけでは、正直わからないものです。複数の士業から話を聞くことで、実力差が初めてわかるわけですし、最初から理想的なプロ士業に出会える可能性は決して高くないので、積極的にセカンドオピニオンとして、小さな相談、小さな依頼は続けていくべきです。 もちろんセカンドオピニオンは、依頼を受ける士業としては、気持ち良いものではありません。やはり、「あなただけにお願いします」と言われた方が気持ちよく仕事できるもの。しかし、士業はそもそもあなたの会社に貢献して初めて報酬を貰える立場です。ここは最初に「先生を信頼していないわけではないのですが、様々な意見を勉強したく、ほかの先生にも相談してみたいのですが、それって可能でしょうか?」と聞きましょう。 勉強をしたいという気持ちを士業が折ることは少ないし、可能でしょうか?と聞けば、NOとも言いにくいです。もちろん、あなたが納得のいくプロ士業に出会えればそれで良いのですが、最初は複数の士業に当たることも、極めて重要な点だといえるでしょう。 そして、このセカンドオピニオンを発展させたのが、同資格の複数顧問です。 例えば、助成金に強い社労士と顧問契約をし、その社労士には助成金に集中してもらう。手続きは別の社労士にお願いする、など。ほかにも、融資業務だけの顧問税理士と税務だけの税理士に分けて契約をする。事前に許諾を取ればまったく問題ありません。複数の同資格士業と契約して、その報酬以上の結果が出れば良いのですから、これもひとつ検討してみる余地があります。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。