隆の勝（左）を押し出した大の里

　大相撲秋場所5日目（12日、東京・両国国技館）、好成績なら大関昇進の可能性がある関脇大の里（24＝二所ノ関）が、幕内隆の勝（29＝常盤山）を一方的に押し出して無傷の5連勝。他に全勝力士がいなくなり、序盤を終えて単独首位に躍り出た。取組後は「一日一番、しっかり集中して頑張ります。先のことは考えず一日一番、集中するだけ」と自らに言い聞かせるように同じ言葉を繰り返した。 　この日は横綱審議委員会による本場所総見が行われた。山内昌之委員長（東大名誉教授）は「大の里は見事な相撲」と絶賛。「私も、早く横綱を誕生させる夢を見たい。キチッとした横綱になり得る候補者たちが出てきて、大の里はその一人であることは間違いない。そういう片りんを見せている。彼のさらに上位（大関）への昇進を期待している」と早くも将来の横綱候補として大きな期待を寄せた。 　高田川審判部長（元関脇安芸乃島）も「怖がらずに、しゃにむに前に出た。大の里らしい、いい相撲。初日は逆転だったが、2日目からは前に出て強い相撲を取っている」と高く評価。ただ、今場所での大関昇進の可能性については「まだ5日目ですから」と話し、相撲内容と結果を慎重に見極めていく姿勢を示した。