「うちの子になりたいのなら、中におはいり」玄関ドアを開けて呼びかけると…!? 愛猫の死がきっかけで出会った「人間の言葉が分かる猫」
人間の言葉が分かるかもしれない猫
「そこにいると踏んずけてしまうよ。別の場所に行って」 そうOさんが言うのですが、マイケルくんは知らんふり。次の日の朝も、その次の日の朝もやってきては、玄関前でゴロン。 Oさんはうちの子になりたがっているのかと思い、地域猫管理協会から捕獲器を借りることに。これでマイケルくんを捕獲して、家の中に入れよう。 捕獲器を借りたはいいけれど、一人で使うのは初めてのOさん。今までは地域猫管理協会の人たちが助けてくれていました。今度は一人でマイケルくんを捕獲しなくてはいけません。頑張らねば。 手順通り設置し、マイケルくんをおびき寄せます。ところが、マイケルくんはなかなか入ってくれません。ここでOさんは思い出しました。マイケルくんは“人間の言葉が分かる猫”だということを。試しに玄関ドアを開けて、言ったんです。 「うちの子になりたいのなら、中におはいり」 するとマイケルくんは、すっと中に入っていくではありませんか。Oさんは慌ててドアを閉め、洗濯ネットを持ってマイケルくんを追いかけます。完全に家へ入る前に動物病院で色々と検査をしないといけませんからね。
猫の都合で生きる
検査の結果、年齢は推定7歳で猫エイズキャリアだと分かりました。猫白血病はなかったので一安心。ただ、ノミやダニに食われているせいか貧血がひどい。Oさんはマイケルくんにたくさんご飯を食べさせました。 さて気になるのは、預かりボランティアでO家にいる3匹です。兄妹ですから仲良し。そこにマイケルくんが入っていって、仲良くできるのか…。隔離期間を終えたマイケルくんを3匹に会わせる時、Oさんはとても心配でした。 でも、Oさんが思うほどカイトくんもミントちゃんもプリンくんも心は狭くありません。マイケル君を新しい家族として迎えてくれました。今ではくっついて寝るんですよ。 4匹の猫はそれぞれ持病があり、通院に時間もお金も取られていますが、Oさんはとても幸せです。猫を迎えてから、時間やお金の使い方を改めるようにしたからです。とても充実しているとのこと。 Oさんは笑顔で言います。 「自分の都合だけで50年以上生きてきましたが、猫の都合で生きることがこんなに嬉しいことだなんて思いもよりませんでした」