ローメンテな庭を目指すなら「安易に植えてはいけない」花木5選。お手入れポイントも解説
安易に植えてはいけない花木?害虫がつきすぎる庭木3選
●サクラ(バラ科植物)[落葉高木] 品種が豊富で、日本の象徴でもあるサクラ。開花期が短く、満開の桜の下でお花見をするのが難しい年もありますよね。そんなとき、庭でお花見ができたらなと考える方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、サクラやウメなどのバラ科は、害虫がとても付きやすい植物。新芽の時期から定期的に殺虫剤を散布しないと、あっという間に大量の毛虫に葉を食べられてしまいます。また、サクラは大きく育つ品種が多く、花びらや落ち葉の掃除も大変です。 サクラを庭に植えるなら、なるべくコンパクトな品種を選び、隣家から離れた広い場所に植えましょう。毎年落葉期には剪定も必要です。サクラに似た花が咲く「ハナカイドウ」はサクラと比較するとコンパクトで、害虫も少なめですよ。 ※参考価格:550~2500円前後(3~3.5号ポット苗) ●ツバキ・サザンカ(ツバキ科)[常緑中木] 寒い冬に華やかな花を咲かせてくれるツバキやサザンカは、昔から庭木の定番。八重咲のかわいらしい花が咲く品種は、最近の洋風の家にも合わせやすく、生垣や仕立物として楽しまれています。 しかし、ツバキやサザンカなどのツバキ科の植物には、厄介な「チャドクガ」という毛虫が集団発生します。このチャドクガは卵~成虫までとても小さな毒針毛があり、風で飛ぶ毛でもかぶれてしまうため、注意が必要。定期的な殺虫剤散布が欠かせません。 ツバキやサザンカを植えたい場合は、隣家や歩道から離れた場所に植えましょう。念のため、殺虫剤散布や剪定・刈り込みはプロにお願いすると安心。寒冷地では今のところチャドクガの発生は少ないです。 ※ツバキ参考価格:1000~1200円前後(3~3.5号ポット苗) ●クチナシ[常緑低木] 初夏に純白の花を咲かせるクチナシは、結婚式場で使われることもある、清楚な雰囲気の花木です。世界三大香木の一つで、甘い香りも魅力の一つ。とくにコクチナシは樹高が低いため、ローメンテナンスと思われがちです。 しかしクチナシは、いろいろな害虫がつきやすく、病気にもなりやすい花木。害虫以外にも、魅力的な甘い香りに誘われたアリがたくさん集まってきます。 クチナシのきれいな花を楽しむためには、バラ科やツバキ科の植物同様、定期的に殺虫剤や殺菌剤を散布しましょう。また、咲き終わった花をそのままにしておくと病気の原因になり、見た目も悪いため、こまめな花がら摘みも欠かせません。 ※参考価格:550~1000円前後(3~3.5号ポット苗)
まとめにかえて
ローメンテなお庭を目指すなら、安易に植えてはいけない花木5選をご紹介しました。どれもメジャーで、見たことのある花木だったのではないでしょうか。 広い場所があり、こまめなお手入れができるのなら「植えてはいけない植物」は、ほとんどありません。しかし、忙しくて植物のお世話をする時間があまり取れない方や、小さなお庭でガーデニングを楽しみたい方は、あまり手がかからず、コンパクトに育つ植物を選ぶのがおすすめです。 ほぼほったらかしで育てられる多年草などと上手に組み合わせながら、素敵なお庭を作ってみてくださいね。
鈴森 真樹