赤いクルマの代名詞、マツダ5代目「ファミリア」は103.8万円電動サンルーフ付が大旋風を巻き起こす【今日は何の日?6月2日】
●赤いファミリア旋風で歴史的な大ヒットモデルになった5代目
5代目ファミリアは、従来のFRからマツダ初のエンジン横置きのFFに変更され、駆動方式だけでなくプラットフォームやパワートレインなどすべてを一新。エッジの効いたスタイリッシュな欧州風のスタリングとFF化により実現された広い室内空間が特徴だった。 パワートレインは、1.3L/1.5L直4 SOHCエンジンと、4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせ。3年後にはターボモデルも追加され、軽快かつスポーティな走りも高く評価された。 ファミリアの月間発売台数は、トヨタ「カローラ」と日産自動車「サニー」を抑えて首位に立つこともあり、発売27ヵ月で100万台を達成。マツダの国内販売台数としては、過去最高を記録する空前の大ヒットを記録したのだ。 なかでも、赤いボディで電動サンルーフを標準装備した車両価格103.8万円の「ファミリアXG」は、“赤いファミリア”と呼ばれ若者の間で爆発的なヒットとなった。ちなみに、当時の大卒初任給は11.5万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算では現在の価値で約208万に相当する。 赤いファミリアが巻き起こし、パステルカラーをまとったスタイリッシュなコンパクトカーのルーフに、サーフボードを載せた「陸(オカ)サーファー」と呼ばれたスタイルが大流行し、若者文化を象徴する社会現象になるほどのインパクトがあったのだ。 ・・・・・・・ 陸サーファーとは、“サーフボードをクルマに載せてサーファーのような恰好をしているが、実際にはサーフィンをしない人”を指す。今となっては理解不能な話だが、洒落たクルマとサーファーの組み合わせが、女性にモテる大きな武器、そんな浮かれた時代だったのかもしれない。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純