日本株、国民民主党躍進による「現役世代の実質賃金増加」で恩恵が期待できる「プロ厳選銘柄5選」を実名紹介
物語コーポレーション(3097)
■株価(11月1日時点終値)3900円 コスパの高さだけでなく、ちょっとした高級感も兼ね備えた外食業態にも恩恵は大きそうだ。同社の主力業態である「焼肉きんぐ」は、食べ盛りの子供を抱えるファミリー層を中心に高い人気を博しており、2025年6月期も97店舗の新規出店を計画している。最近ではロードサイドから都市部への出店も強化しており、ブランドの認知度向上を図っている。 業態開発力に強みを持ち、寿司・しゃぶしゃぶ食べ放題の「ゆず庵」や「丸源ラーメン」など、多様な業態を展開することで集客力の安定感を高めている。中期経営計画では、2027年6月期までに連結売上高1,500億円を目指し、経常利益を124億円に引き上げる目標だ。 積極出店を支えるための人財投資にも余念がない。会社ホームページを閲覧すれば、やたらと「人」の文字が目に付くだろう。2027年までに海外事業の売上高を現在の3倍に引き上げる計画が注目されるなか、積極的かつ多様な人材獲得を進めている。
テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)
■株価(11月1日時点終値)922円 ブライダル業界全体は厳しい状況にあり、婚姻組数の減少が続いている。ゲストハウス型の結婚式場で業界トップの同社でさえも受注は伸び悩んでいる状況だ。一方、若年層の実質賃金の上昇が進んだ場合、結婚に対するハードルが下がる期待は大きい。結婚に踏み切るための必要な年収については、男女ともに約6割が年収400万円以上、約4割が500万円以上と考えている調査結果もある。 ブライダル市場の回復以上に所得効果が期待できるのがホテル事業の拡大だ。中期経営計画では、ブティックホテルを中心に全国展開する方針を示し、2027年までに札幌、渋谷、神戸に新規ホテルを開業する計画だ。さらに2030年には売上高を500億円に引き上げる目標も示す。 ホテル事業の収益貢献が始まるのは数年後とはいえ、株式市場では十分に評価されていないと考える。PBR(株価純資産倍率)は1倍を大きく割り込んでおり、十分な投資余力やブライダル市場の底打ち期待すらも織り込まれていない印象だ。 2024年も残すところ2か月を切り、年末商戦の時期を迎えつつある。繁忙期を迎える業種も多いと思われるが、なかには「年収の壁」を意識した労働抑制が人手不足を招いている業種も散見される。「年収の壁」の見直しには、所得効果以外にも多くの恩恵が期待できそうだ。
宇野沢 茂樹(証券アナリスト)