娍子（朝倉あき）と月を見る三条天皇（木村達成）(C)NHK

吉高由里子主演で『源氏物語』の作者・紫式部（ドラマでの名前はまひろ）の人生を描く大河ドラマ『光る君へ』（ＮＨＫ）。１１月１７日放送の第４４回「望月の夜に」では、道長に立ちはだかる最後の障害と言える三条天皇が退位。政治家としての絶頂期と、すぐに訪れた転換期に直面する道長の姿が描かれた。 【写真】今週放送の第４５回に、まさかの再登場！？ ■ 泣く泣く譲位を受け入れた三条天皇は…第４４回あらすじ 体調を理由に、藤原道長（柄本佑）をはじめとする全公卿たちに譲位を迫られた三条天皇（木村達成）は、自分の姫皇子を道長の嫡男・頼通（渡邊圭祐）に嫁がせることで、譲位を先送りにしようとする。しかし嫡妻・隆姫女王（田中日奈子）を大事にする頼通は、その提案を呑むなら隆姫と共に都を出ると言うほど、強く拒絶。道長は「頼通は藤原伊周（三浦翔平）の怨霊に祟られている」という噂を流すことで、天皇にその計画を断念させた。 万策が尽きた三条天皇は泣く泣く譲位を受け入れ、道長の娘・彰子（見上愛）が生んだ後一条天皇（橋本偉成）が即位した。道長は左大臣と摂政を兼任するという揺るぎない立場となったが、一人だけに権力が集まりすぎていることを、他の公卿たちに危ぶまれる。親友・藤原公任（町田啓太）に咎められた道長は、虚しさを感じながら摂政と左大臣の職を辞すことに。それからまもなく三条上皇も、自分の人生を闇にたとえながら崩御した──。

因果はめぐる…聞いたことある駆け落ち宣言にＳＮＳざわつく

道長の後を継いで摂政になった頼通（渡邊圭祐）(C)NHK

即位直後に道長をタジタジにさせた三条天皇だったけど、目と耳を急激に悪くしたことを道長に付け入られ、短期間で劣勢に追い込まれてしまった。そして貴族間の取りまとめ上手な道長くんは、この第４４回の時点で見事に公卿全員を味方につけ、スクラムを組んで引きずり下ろし奉りに来ることに。しかしそこで「はいそうですか」とならないのが、さすがラスボス・三条天皇。嫡男・頼通に自分の娘を差し出し、姻戚関係となることで、逆に道長を自分の方に取り込むという作戦に出た。 通常の貴族が相手なら、この方法はなかなか有効だったはず。しかし三条天皇が不幸だったのは、頼通がこの時代にはめずらしいほど嫡妻に一途だったことと、息子の「駆け落ちしてでも愛を貫く」という姿勢に、道長がめちゃくちゃ寛容なことだった。というか、本人がまさにまひろと駆け落ち未遂をやらかしたことがあるだけに、因果はめぐるという心境だっただろう。 ＳＮＳでも「都を出て好きな人と生きる。それ、お父ちゃん（道長）がしたかったこと」「若かりし道長殿じゃんよ・・・その選択はできなかったけどな」「道長、まひろの時は言えなかったことを頼通が言い切ったのを見て、ちょっと羨ましかったのかな」「倫子（黒木華）さまは『え、なんてこと言うの頼通』っていう本当に驚き＆ショック＆心配って顔だけど、道長くんは『あぁー、俺と同じこと言ってる』ってゆー完全に受け入れの表情」などの言葉が。 しかしそんな頼通くんが、自分が摂政になった途端、妹・威子（佐月絵美）に意に沿わぬ入内を強制するのには、「頼通はん、あんた自分の縁談はゴリゴリにゴネてたのに、どの口が言うとんのさ」「自分は妻に一途なのに、他人の心は無視するんだ」「『早速だが入内してくれないか』は心がなさすぎる」という苦言が続々とあがった。なお史実の頼通は、結局は隆姫との子どもには恵まれず、幾人かの妾を持つことになる。実際の頼通も、苦渋の決断で選んだ道だったのだろうか。