賞の多くにレジェンドの名がつけられているゴルフ界 日本勢が増える来季、タイトル争いに期待【武川玲子コラム】
2024年の米LPGAツアーが終了。最終戦までもつれ込んだタイトル争いは古江彩佳が平均最少スコアの「ベアトロフィー」、西郷真央がルーキー・オブ・ザ・イヤーの「ルイーズ・サグス賞」を獲得した。 最終戦開幕前夜には授賞式が行われた。残念ながら2人とも受賞が決定していなかったから登壇することはなかったが、式に出席した古江はすでに決まっていた最優秀選手賞やコミッショナー賞などが授与されるのを見て、「いろいろな賞があるんですね」と目を輝かせた。 賞の多くにはゴルフ界のレジェンドの名がつけられている。「ベアトロフィー」は1922~35年に6度の全米女子アマチュア選手権を制したグレナ・コレット・ベア(米国=1903~89)に由来する。まだプロツアーが存在しなかった時代に「史上最高の女性ゴルファー」といわれ、同賞は53年から始まった。歴代受賞者には7度のキャシー・ウィットワース(米国)、6度のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)、4度のロレーナ・オチョア(メキシコ)とそうそうたる顔ぶれが並ぶ。 一方、ルイーズ・サグス(米国=1923~2015)はメジャー11勝を含むツアー61勝を誇る選手。50年のLPGAツアー創設者の一人で、女子プロゴルフの始祖といわれている。男子PGAツアーでは平均最少スコアは「バイロン・ネルソン賞」、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは「アーノルド・パーマー賞」となっている。 LPGAツアーは他にLPGAツアーの殿堂入りやプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手賞)などがあるが、その中の一つに「コミッショナー賞」がある。これは以前「ウイリアム・アンド・モージー・パウエル賞」と呼ばれ、ツアーの成績だけでなくあらゆる面で模範となる選手に投票で選出される賞。50年代からLPGAツアーの発展に貢献したハリウッド女優のモージー・パウエル夫妻によって86年から設けられ、12年に「女子ゴルフの人気に貢献した」宮里藍さんが選ばれている。 来季はさらに日本勢が増える勢いの米LPGAツアー。タイトル争いもさらに期待だ。 (全米ゴルフ記者協会会員)
中日スポーツ