【巨人】1軍再昇格の23歳が即マルチ&超美守「たくさんの人にフォローしてもらって」改良した新打法
◆日本生命セ・パ交流戦 楽天3―0巨人(13日・楽天モバイル) 迷いはなかった。両チーム無得点の3回1死、萩尾匡也外野手(23)は、藤井の初球、外角低め115キロカーブに反応。鋭く振り抜き、右中間を破った。1軍昇格即スタメンで、いきなり鮮やかな二塁打。「思い切っていくだけだと思って打席に入っていました」と少しだけ頬を緩めた。 【動画】萩尾匡也と佐々木俊輔が並んでティー打撃 抜てきに応えた。昇格を果たすと、「8番・左翼」で早速スタメン出場。5回1死では三塁への内野安打を放ち、マルチ安打とした。守備でも5回無死で小深田の左中間を破りそうな打球にダイビング。いったんグラブではじき白球がこぼれかけたが、つかみ切った。「ファームの時に守備練習から気を抜かずにやっていたので良かったです」。苦しむチームに希望の光が差し込む躍動ぶりだった。 己を見つめ直した。2年目の今季はプロ初アーチを放つなどしたが、5月は月間打率1割台と苦しみ、同30日に2軍降格となった。阿部監督からは「直球を待って、変化球を打つ感覚をつくり直してこい」と“宿題”を与えられた。「たくさんの人にフォローしてもらって、いろんなところを見直しました」。橋本2軍打撃コーチに助言を受け、上げた左足を前方に蹴るような動きを入れた打撃フォームに改良するなど、課題克服に着手。配球への理解を深めるため加藤2軍バッテリーコーチにもアドバイスをもらった。最善を尽くし、再びはい上がった。 チームは完封負けで6連敗を喫し、苦しい状況は続く。「切り替えて次の試合に臨んでいきたい」と萩尾。期待の背番号12がチームの起爆剤となる。(宮内 孝太) ◆清水隆行Point 萩尾が第1打席の初球を右翼に二塁打した。外角のカーブ。おそらく予想していた球種ではなかったはずだが、甘いと判断してスイングをかけた。状態が良くないと、狙っていない球は振りにいけないものだが、それができた。5回の守りでも、左中間への飛球に追いつき、いったんグラブからボールをこぼしながらも、しっかりと捕球。球際の強さも見せてくれた。1軍に上がって、すぐに結果を出すことは首脳陣が成長を感じる。本人には大きなアピールになった。(野球評論家)
報知新聞社