開業50周年を迎えた小田急多摩線を、地元の「撮り鉄」目線でご紹介
【汐留鉄道倶楽部】川崎市麻生区の新百合ケ丘から、東京都の多摩ニュータウンを結ぶ小田急多摩線が6月1日に開業50周年を迎えた。最初は五月台、栗平、黒川を経てニュータウンの玄関口、小田急永山までが開通、翌1975年4月に小田急多摩センター、90年3月に唐木田まで延伸されて現在の10・6キロの路線となった。節目の年ということで、ユーザー歴19年で「撮り鉄」の筆者にとっての〝ホームグラウンド〟を撮影ポイント中心に紹介させていただこう。 【写真】予想外に「復活」した列車2選
新百合ケ丘を出ると、列車は高度を上げながら右にカーブして本線(小田原線)と別れ、五月台着。丘陵地帯を走る多摩線は高架区間やトンネルが多く、撮影場所はおのずと限られるが、五月台~栗平~黒川間は線路に沿って道路があり、周囲は住宅地ながら開放感がある。 大リーグで活躍する松井裕樹、サッカー元日本代表の中村俊輔らの出身校、桐光学園高の生徒が利用し、サッカーJ1の川崎フロンターレの練習場からも近い栗平駅は、イベント列車や試運転列車の走行時、ホームの先端に「撮り鉄」が集まる。黒川側から来る列車を撮るには好都合だが、ホームは狭い。黒川へ向かって少し歩くとカーブしてくる列車を気持ちよく撮影できる場所があり、秋は「とんびいけ公園」の紅葉がアクセントになる。こちらがお勧めだ。 公園の少し先にある小学校近くの階段を上ると、広大な畑地(黒川東営農団地)に出る。サツマイモの収穫体験もできる畑の向こう側に、京王相模原線の若葉台駅付近が見える。この先、相模原線との距離はどんどん縮まっていく。
駅前に読売日本交響楽団(読響)の練習場があり、ホームの列車接近メロディーにクラシックを使用している黒川駅から、短いトンネルを抜けるとすぐに「はるひ野」着。2004年12月に開業した小田急で一番新しい駅だ。駅から次のトンネルまでの直線区間では、森をバックにオーソドックスな写真が撮れる。 トンネルを抜けると、よく紹介される撮影地がある。その名は「電車見橋」。通称ではなく正式名称だ。多摩線と京王相模原線が並走する形になるため、橋の両サイドから下を通る小田急、京王の電車を同時に俯瞰(ふかん)撮影できる。駅から歩くと遠いが、多摩東公園の駐車場からはすぐなので、車で行くのも手だ。 橋から降りて線路脇の道路から双方の電車の「顔」をそろえて撮ろうとすると、難易度はぐっと上がる。今回の原稿を書くにあたり、地元の利を生かして本数の多い午前7時台や夕方も含めて計4日間(各1時間ずつ)チャレンジしたが、イメージ通りの写真は撮れなかった。