長い闘いにようやく終止符が… 袴田巌さんの無罪確定 検察が上訴権を放棄
2014年に静岡地裁で再審開始決定の判断を下し、袴田さんを死刑囚の身でありながら釈放した村山浩昭元裁判長は、検察の判断をどう見たのでしょうか。 ◆静岡地裁元裁判官・村山浩昭弁護士: 「やはり静岡地裁の判決に対しては非常に強い不満が表明されているというのはわかりました。ただ、やはり検察の中でそういう議論が当然あったんだろうなということが推測されます。最終的にその無罪判決を覆すということが難しいという判断をされたというのは、やはり良識的な賢明な判断だったというふうに私は思っています」 また、東京高裁で裁判長を務めた経験を持ち、現役裁判官時代に30件以上の無罪判決を出した元裁判官の木谷明弁護士は、検察が判決内容を「承服できないものである」としていることについて… ◆木谷明弁護士: 「やっぱりやってもだめだというのは本心にあるんだけれども、ちょっとこの負け惜しみを言っている感じがします。控訴したってね、結論を動かすことは事実上不可能ですよ。それは検事が分かっているんです。分かっているけど負け惜しみ言ってるんですね」 冤罪事件を闘う厳しさを見てきた木谷弁護士。ひで子さんへの思いを語りました。 ◆木谷明弁護士: 「今まで本当に苦しい闘いをしてきたわけですから、これから少なくとも心安らかに過ごしてほしいと思いますけれども」 自由を取り戻した袴田さんについて、ひで子さんは…。 ◆袴田ひで子さん: 「もう88歳ですからね。あまり多くを望みませんが、巌にはせめてもう少し長生きしてもらいたいと思っております。(シャバに出てから10年でチュンになったじゃ、これじゃ面白くないから)もう10年ぐらいは生かして、生かしてというとおかしいけど生かしていただきたいと思っております」 「生活そのものはごくごく平凡に静かに暮らしていければいいと思っております」