機密暴露、米政権を翻弄 司法取引への介入否定
【ワシントン共同】アサンジ氏が創設した内部告発サイト「ウィキリークス」は機密暴露で歴代米政権を翻弄し、米側はアサンジ氏の身柄引き渡しを英国に求めてきた。だが一転、アサンジ氏は司法取引で米国での収監を免れることに。バイデン政権は「司法省の独立した判断」だとし、政治介入を否定している。 イラクやアフガニスタンでの軍事作戦や情報活動の内情をさらされたオバマ民主党政権は安全保障が脅かされると激怒。司法省はアサンジ氏を機密暴露の罪に問うことを検討したが、訴追は見送った。 2016年大統領選では、共和党のトランプ前大統領の対立候補だった民主党候補クリントン陣営のメールが流出し、ウィキリークスに暴露され選挙活動の打撃に。米情報機関は、メールの流出はサイバー攻撃を仕掛けたロシア当局のしわざだと断定した。 トランプ政権はアサンジ氏を追及する姿勢を鮮明にした。19年に司法省は米政府のコンピューターに侵入し、機密文書を不正入手したなどとして起訴。英国に身柄引き渡しを要請し、英警察による拘束につながった。