７月１３日日本武道館大会の参戦を発表したＡＪスタイルズ.

　日本マット界にまたもサプライズだ。ノアは、7月13日の東京・日本武道館大会に世界最大団体「WWE」の〝フェノメナール〟ことAJスタイルズ（47）が参戦すると発表した。丸藤正道（44）とシングルで対戦する。元IWGPヘビー級王者はなぜ、ノアのリングで丸藤と対戦するのか。団体を統括するサイバーファイトの武田有弘取締役が、その理由を明かした。 【写真】AJスタイルズ戦が決まった丸藤正道 　16日横浜BUNTAI大会の第2試合終了後だ。場内の大型ビジョンに登場したAJは、自らの言葉で参戦を発表。「丸藤、お前にどれだけ才能があるか俺は十分わかっている。長く活躍している経歴が全てを物語っている。しかし俺は負けない」と宣戦布告した。 　AJは新日本プロレスで活躍後、2016年にWWE入り。最高峰王座を2度戴冠するなど、世界最大団体でも大きな実績を残してきたスーパースターの参戦に会場は色めき立った。この日、杉浦貴とのコンビでGHCタッグ王座を奪取した丸藤も「大切な〝1発目〟だと思っているし、しっかり調整して勝ちたいと思います」と応じた。 　武田氏によると、参戦交渉は両団体の大会を配信するインターネットテレビ「ABEMA」が間に入る形で進められたという。2023年1月1日の日本武道館大会ではWWEから中邑真輔の招聘に成功し、グレート・ムタとの異次元対決を実現させている。同じ会場で同様の試合ができないかリクエストしたところ、「前向きなリアクションが来たので話ができたんです」という。WWE側も、ノア出場が日本でのプロモーションにつながると判断した模様だ。 　ノアと関わりのなかったAJを指名したのは武田氏だ。その理由を「WWEユニバース（ファン）はWWEの世界観を壊してほしくないだろうし、WWEの日本公演とかもパッケージで来るものだけど、WWEで発信するものと別で日本のファンが夢として見られる選手といえば中邑真輔の次はAJですよね」と説明。一方で対戦相手の丸藤はWWE側の指名だった。「1択という感じでした。アメリカで名が知られているノアのレスラーといったら丸藤選手でしょう。ジャパニーズレジェンドですから。向こうでも（ノアの）PPVがあることも関係していると思います」 　ノアはWWEとの関係強化の方針を示したばかりで、武田氏は「関係強化に関してはまだいろいろあるので」と含みを持たせる。くしくも日本武道館大会と同日に東京・両国国技館で行われる女子プロレス「マリーゴールド」には、同じくWWEからイヨ・スカイが参戦する。今後もスーパースターのサプライズ参戦に期待がかかる。