CTEM(継続的脅威エクスポージャー管理)を基礎からわかりやすく解説 ASMとの違いとは
CTEM(Continuous Threat Exposure Management:シーテム)とは、ガートナー社が2022年に提唱した言葉で、サイバー攻撃の対象となりうるIT資産が受ける脅威に対処するためのプログラム(手法、プロセス、フレームワーク)のこと。クラウドサービスやリモートワーク、IoTデバイスの普及が進み、組織や企業のIT資産は社内外のネットワーク上で広範囲に分散している。そうした中、CTEMは変化する脅威環境に合わせて継続的に脅威を見つけて改善していくための有効な手段として注目されている。本記事では、CTEMを基礎から解説するとともに、実装のための5つのプロセス、導入にあたっての注意点、ASM(アタックサーフェスマネジメント)との違いなどを解説する。 【詳細な図や写真】CTEMの重要性とは?なぜ注目されているのか?(Photo/Shutterstock.com)
CTEM(継続的脅威エクスポージャー管理)とは
CTEM(Continuous Threat Exposure Management:シーテム)とは、サイバー攻撃の対象となりうるIT資産が脅威にさらされる、つまりアクセスされる可能性や悪用される可能性などのリスクを継続的に評価して管理するための一連のプロセスである。 従来の脆弱性管理のように、単発的に実施される対策に留まらない点が特徴だ。変化し続けるIT環境や脅威の状況を把握し、迅速な対応を可能にすることで、セキュリティリスクを最小限に抑えることを目的とする。 CTEMは2022年にガートナー社が提唱した比較的新しい概念で、組織のセキュリティ態勢を強化する上で重要な役割を担うと考えられている。 同社が2024年に発表した「Top Cybersecurity Trends for 2024」の中でも、CTEMの重要性について触れており、「2026年までにCTEMプログラムに基づき、セキュリティ投資を優先する組織では侵害が3分の2減少する」と予測している。 一方、ガートナーは「CTEMはツールではない」とも語っている。脅威という言葉が示す対象が広いこともあり、「CTEMを実現するために特定の製品一つを導入すれば解決」とはならないと認識したほうがいいだろう。