名称は「QuruGuru(くるぐる)」 アマミノクロウサギミュージアム 大和村
鹿児島県大和村が同村思勝で整備を進めているアマミノクロウサギ研究飼育施設の名称が、「アマミノクロウサギミュージアムQuruGuru(くるぐる)」に決定した。14日は現地で名称お披露目式があり、地元の児童と関係者ら計約70人が参加して看板除幕や記念植樹を行った。国の特別天然記念物アマミノクロウサギの保護や研究、展示などを目的に、2025年4月のオープンを予定している。 施設は環境省奄美野生生物保護センターに隣接し、建築面積775平方メートルの鉄筋コンクリート造平屋建て。獣医師が常駐して交通事故などで傷ついたアマミノクロウサギの保護、治療、野生復帰に向けたリハビリテーションを行うほか、環境教育や来場者への啓発、生態研究、研究者の拠点施設としての機能も有する。建物の建設事業費は約5億円。 施設名の「くるぐる」は「黒々とした」という意味の奄美大島の方言や、命がぐるぐるとつながっていく様子をイメージして命名。ロゴマークは親子のアマミノクロウサギを表現した。伊集院幼村長はあいさつで「奄美の素晴らしい自然と生態系を発信する施設になる。来年4月のオープンを楽しみにしてほしい」と述べた。
児童たちはアマミノクロウサギの餌にもなるヒサカキとクチナシの幼木計7本を敷地内に植樹。日本のウサギ研究の第一人者でアマミノクロウサギについて長年研究している山田文雄氏(71)=(茨城県)=を名誉館長に任命した。 式の後は村防災センターで山田氏が講演。アマミノクロウサギの特徴や生息地である奄美大島と徳之島の生態系について解説し、「特殊な自然環境への理解と生態系を基軸とした社会の実現が必要。クロウサギを通じて奄美の自然や人々との関りを考え、世界とつながってほしい」と聴衆へ語り掛けた。