派閥裏金事件関与の46人中28人が落選 涙の丸川氏「もう一度スタートが…」 下村氏、高木氏らも
27日投開票の衆院選で、自民党派閥裏金事件に関係した前議員ら46人は世論の逆風を受けて厳しい戦いを強いられ、28人が落選した。 【写真】自民裏金議員の当落一覧 派閥裏金事件の影響はあまりに大きかった。自民党は、公認を巡り、比例代表との重複立候補を認めなかった裏金候補の選挙区を中心に苦戦した。選挙戦終盤には非公認候補が代表を務める政党支部に「活動費」名目で2000万円を支出していた問題も発覚し、最後のダメ押しとなった。 非公認で無所属出馬となった下村博文氏(東京11区)や高木毅氏(福井2区)らが相次いで涙をのんだ。公認を得られても比例代表との重複立候補は認められず、小選挙区で敗北した丸川珠代氏(東京7区)らの落選も決まった。 開票速報開始直後に敗戦が伝えられた丸川氏は、約2時間後に登場。イメージカラーの赤い服は着ず、濃紺のスーツと白いブラウスで登場。目の周りを腫らし「力不足と痛感」と述べ、今後については「自民党のバッジは着いていませんが、一員であることに変わりはない。もう一度スタートが切れるよう地域の方と力を合わせたい」と話し、会場を後にした。 非公認となった10人のうち、高木氏と共に旧安倍派の有力者「5人組」と呼ばれた萩生田光一氏(東京24区)と西村康稔氏(兵庫9区)、旧二階派の平沢勝栄氏(東京17区)は当選した。この他、非公認となった上杉謙太郎氏(福島3区)、中根一幸氏(埼玉6区)、三ツ林裕巳氏(埼玉13区)、小田原潔氏(東京21区)、細田健一氏(新潟2区)の5人は落選した。 5人組の一人、世耕弘成氏(和歌山2区)は離党勧告処分を科されて離党後、参院からくら替えして無所属で立候補。裏金事件を受け不出馬を決めた二階俊博元幹事長の三男で自民公認の伸康氏を破った。 公認されたのは34人。閣僚経験者の西村明宏氏(宮城3区)、鈴木淳司氏(愛知7区)、旧二階派の武田良太氏(福岡11区)らは落選した。5人組の一人である松野博一氏(千葉3区)や、福田達夫氏(群馬4区)、柴山昌彦氏(埼玉8区)、稲田朋美氏(福井1区)、宮下一郎氏(長野5区)らは当選した。 女性問題を報じられて離党、議員辞職後に無所属出馬した宮沢博行氏(静岡3区)も落選した。