来るパリ五輪でも大注目!サッカー国際審判員の日本人女性に、人生の転機や気になる仕事の裏側をASK
2022年のFIFAワールドカップ カタール大会で女性初の審判員のひとりに選出され、パリ2024オリンピックでも審判を担当する、サッカー国際審判員 プロフェッショナルレフェリーの山下良美さん。 山下さんのサッカーとの出会いは4歳の頃。幼少期は“サッカーを習う女の子”は少なく、男子に混じって夢中になったといい、高校時代に一度離れた時間もありながら大学でふたたびサッカーに打ち込んだ。プレーすることが純粋に大好きでプロになる夢を持ちながらも、現実的に物事を考える性格から、出会ったのが「審判員」という職業だった。 【動画】山下さんの国際審判員としての仕事に対する思いや、底知れぬ努力の裏側をチェック
転機となったのは大学時代。先輩であり、現在は国際審判員としてともに活躍する坊薗真琴さんにすすめられて、3級審判員の資格を取得したこと。それまでは審判員という職業に意識を向けたことすらなかったが、3級資格を取ったことで審判員の魅力を知り、その道に進むことを決めた。「審判を務めていくなかで、ここはこうしなきゃいけないとか、次はこうしようといった向上心が生まれてきて、その思いを追っていくうちにここまでたどりついたという感覚です」 現在、日本サッカー協会(JFA)でプロフェッショナルレフェリーとして登録されている審判員は、1級資格取得者の中でもわずか14人。その中で女性は、山下さんひとりだけである。 資格の等級を上げていく道のりのなかで、山下さんにはこんな思いが。「1級審判員はJ1リーグをはじめとしたJFA主催のトップリーグの試合を担当することができるのですが、私が1級の資格を取った時に強く思っていたのが、日本の女子サッカーをもっと盛り上げたいということ。自分が審判員としてトップリーグに関わることで、女性でもサッカー界で活躍できることを証明し、また女子サッカーの知名度を上げていくという思いを、今も大事にしながら試合と向き合っています」 女性審判員の目覚ましい活躍については、「選手、チーム、リーグ、サポーター。サッカーに関わるすべての人の理解があってこそ」と語る山下さん。「身体的特徴の性差があるなかで、とても難しい話だとは思うのですが、『男性の試合を女性の審判員が担当してもいいんじゃないか。なぜいけないんだ』。みんながそう考えてくれた結果なのではと思っています」 日本のサッカー界は変革の時を迎えている。2020年、JFAと日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は、国連グローバル・コンパクトと国連女性機関(UN Women)が共同で作成した女性のエンパワーメント原則(WEPs)に署名。さまざまな取り組みを行うなかで、インストラクターの派遣や費用の一部補助など、女性審判員の養成を目的とした仕組みも形成。山下さんのような第一線で活躍する審判員をはじめ、女性インストラクターの存在によって自分でもできると感じてもらい、職業のジェンダーギャップを超えていくことを目指している。 サッカーに対する情熱によって導かれた、審判員というキャリア。その仕事に対する思いや、底知れぬ努力の裏側は関連記事にある動画からチェック。
Harper's BAZAAR JP