【全日本卓球】諦めなければ夢は叶う。「決戦の金曜日」に終結した選考レース、平野美宇が2枚目の五輪切符
『諦めずにやっていけば夢はかなう』
前回の東京オリンピックでの代表選考レースでは、最終盤で石川佳純に僅差で敗れ、団体戦のみの出場となった平野。 「東京オリンピックの時は、卓球から逃げたいと思っていた。最後の本当に大事なところで卓球が嫌いになってしまった。でも、今回は逃げずにここまでやってこられたし、この2年で、自分でいうのもなんですけど、大人になれたのかなと思います」(平野) 東京オリンピックの選考レースでは精神的に追い込まれ、決着がついた2019年のITTFワールドツアー・グランドファイナルでのやつれた表情は痛々しかった。2017年に全日本選手権やアジア選手権を制し、驚異のスタートダッシュを決めてからの失速に、今回の選考レースでも「もし逆転されたら」という思いが頭をよぎったという。 「また逆転されたらどうしようと思いましたけど、乗り切れたのは今後の人生にも生きると思います。『諦めずにやっていけば夢はかなう』と思ったし、自分をほめてあげたいし、周りの見てくださる方にもそれを伝えられればと思います」(平野) 選考レースのターニングポイントに挙げたのは、優勝した2022年11月の『全農CUP TOP32 船橋大会』(第3回選考会)。準々決勝で伊藤、決勝で早田を下して優勝した。「あそこで優勝できなかったら世界選手権にも出られなかったし、大会まで1カ月、2カ月、死ぬ気で練習して、伊藤選手の対策を練って、伊藤選手に6年ぶりくらいに勝って優勝できた。それが自分の中でのターニングポイントだったと思います」(平野)。 期間中の会見から、「自分の人生は自分でコントロールする」というキーワードを何度も口にしている平野。その彼女がパリオリンピックで目指すものは何か。「パリでシングルスに出るからには、メダルだったり、中国選手に勝って銀メダル以上を獲らないと面白くないなと思う。そういう姿を見せられるよう、1日ずつ成長していきたいです」(平野)。