丸紅、グリーンアルミ拡販進む。自動車向けはじめ多分野に浸透・需要家の脱炭素化ニーズに対応
丸紅による低炭素アルミ地金「グリーンアルミ」の拡販が進んでいる。同社のグリーンアルミ成約実績はこの1年で大幅に増加。気候変動対策を背景とする脱炭素化機運の高まりによって増大する需要家の低炭素原料のニーズに応えている。供給先は輸送業界をはじめ多分野にわたっており、サステナブルな製品に貢献していく。 グリーンアルミの供給先となるのは自動車や二輪車に加え、電気製品、衣類、建材など。先月には英豪系資源大手リオティントが生産する低炭素アルミを不二サッシグループに供給するとともに3社で連携し低炭素アルミの製品への適用拡大やトレーサビリティ確保に取り組むことも発表した。 軽金属部地金課の赤坂英佑課長は「素材の脱炭素化のニーズは年々高まっている」と述べた上で「炭素のみならず、サプライチェーンに関連するサステナビリティ全般の情報開示や適切な証書整備がますます重要となってきており、日本のお客様に持続的かつ安定的な形で供給することを目指す」と一段と力を入れる方針を示した。 グリーンアルミは水力発電など再生可能エネルギーを基に生産されるが、その割合は世界で生産されるアルミ地金全体の3割にとどまっている。供給元の確保が課題となっていることについて、赤坂課長は「出資先である豪州アルミ製錬所の再エネ化やパートナーであるリオティントとの関係を強化していきたい」と語った。 グリーンアルミに加え、カーボンクレジットを活用することでカーボンニュートラルを実現した独自のアルミ地金製品「Neutr―Al(ニュートラル)」についても、継続的に関心や問い合わせを受けている。カーボンクレジットに対するマーケティング活動はグリーンアルミと並行して引き続き進めていく。アルミのグリーン関連事業が結果を残す中、今後はアジアの顧客の再生材需要を満たすべく、アルミスクラップ由来の再生地金を責任もって安定的に供給する体制構築に取り組む構え。