「ワンオクがどこにも見えない!」 大規模ライヴ「見切れ」問題の解決策を考える
大会場でのライヴは難しい。Adoの国立競技場ライヴでの「音響問題」が話題になったのは記憶に新しいところだが、今度はONE OK ROCKのライヴでの「見切れ」が話題になっている。 【写真】音響が不評だったAdo「国立競技場ライヴ」 ステージから見た客席側の様子 せっかくチケットを取ったのに、肝心のアーティストがほとんど見えない。そんな悲しい思いをした人は珍しくない。 この座席問題をどう考えるか。音楽ライター・神舘和典氏の考察。 ***
ワンオクファンの失望
5月19日、埼玉のベルーナドームで行われたロックバンド、ONE OK ROCK(ワンオクロック、以下ワンオク)のライヴ「SUPER DRY SPECIAL LIVE Organized by ONE OK ROCK」に、ネットでいくつものクレームが寄せられた。 「音も満足に聞こえずアーティストも見えない」 「ファンを大事にしなさすぎ」 同じ金額を払っていながら、ステージ近くで正面から観られるお客さんもいれば、遠いお客さんもいる。今回はステージサイドの見切り席、真横近くのためアーティストの姿が見えないお客さんがいた。そのうちの1人が自分の席からステージ側を撮影した写真を投稿。そのがっかりに同調する意見が殺到したのだ。 写真を投稿したファンはファンクラブの会員で、年間3500円の会費も収めて、抽選でチケットを購入したという。かなり頑張って、プラチナ・チケットと言えるワンオクのライヴの席を手に入れたのだろう。ワンオクにコストをかけている大ファンだ。ネットで写真を見ると、確かにステージ真横のスタンド席で、バンドの姿は見えそうにない。 「明らかにサイド過ぎる見切れは、見切れとうたうべき」 そんな投稿も目を引いた。見えづらいことをアーティスト側があらかじめアナウンスしておくべきだというわけだ。確かに、見えづらいと知って席を購入するのと、ワクワクして会場にやって来てからドヒャーとがっかりするのとでは心のダメージが違う。