石川県輪島市で海女の“もずく漁”解禁も…現役海女が現状を吐露「海に潜れたことはうれしかったけど…」
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。7月27日(土)の放送では、令和6年能登半島地震の被災地の声をお届けしました。
石川県輪島市は漁業が盛んな町です。漁獲量は石川県内トップクラスで、輪島市には漁師のほかにも、海女さんが約130人います。そこで今回は、7月20日(土)、21日(日)に千葉県南房総市でおこなわれた「南房総 白浜海女まつり」にて、復興支援の御礼と今の被災地の状況を伝えにきたという輪島市の海女さん、早瀬千春(はやせ・ちはる)さんに被災地の現状を伺いました。 能登半島の海は、毎年この時期になるとアワビやサザエが採れますが、地震の影響で海底が隆起して水深が浅くなり、漁船が漁に出られない日が続きました。そんななか、海底の土砂をさらう作業も進み、船が出航できるようになったことから、“1人が1回に採れる量を制限する”という試験的な操業ではあるものの、7月12日(金)に海女さんのもずく漁が解禁となりました。 しかし、実際に海に入った早瀬さんは、「もずくの視察調査をしたときは結構いいもずくがあったんだけど、(解禁となって)いざ始めようと思ったら、雨がひどくて(漁に出られず)。海が凪になって“いざ出てみましょう”となったら、(雨の影響で)川から流れてきた泥が海の底に溜まってしまって、もずくは抜けてしまい……試験的な操業をしてみようということだったけれども、しけと雨で、1日に1人が採れる上限の“15kg”も採れなかった。海に潜れたことはうれしかったし、楽しかったけど、残念でならなかったです」と振り返ります。 また「本来、輪島の海女さんは1日操業してサザエを2~3トン採るの。それが1人15kgまでと制限されてしまうと、船の燃料費が出せなくなるので、自分たちで荷揚げをやらなければならない。フォークリフトはいないし、(船で)走れないし、直接保冷車に積むこともできない……今後、どういうやり方をするのか分からないけれども、人海戦術でやっていくことになると思います」と話していました。 ニュースの見出しになっていた「輪島の海女漁 再開」という言葉とは程遠い状況が今もなお続いています。 (TOKYO FM「防災 FRONT LINE」2024年7月27日(土)放送より)