今が旬!加賀れんこんと日本酒で能登の復興支援
季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。 今が旬!日本酒に合う「れんこん」レシピ(写真) 美しい蓮の花の地下茎であるれんこん。しゃきしゃき、もっちりとさまざまな食感が楽しめる根菜は季節の食卓に欠かせない。三大産地は茨城、徳島、佐賀県だが、伝統野菜の加賀れんこんも根強い人気がある。 「復興支援の酒『天狗舞の山廃純米酒』に合わせて、加賀れんこんを使いました。芳醇な味わいで自然な山吹色をしている山廃は、旨味の強い料理に合わせますが、チーズやスパイス、バルサミコ酢などを使った料理にもよく合うんですよ。私はオレンジワインのペアリングを考えるのと同様にして料理を考えています」(平野さん)。 今回のレシピは通常のれんこんでももちろん作れるが、能登の食品を「買う」「食べる」「飲む」ことで少しでも応援できたらいい。
たたきれんこんのバルサミコきんぴら
切らずにたたいて割ることで、味がよく絡む。煮詰めたバルサミコ酢の旨味と酸味で、お酒もごはんすすむ味わいに。 <材料 2人分> れんこん1節(150g)、豚バラ薄切り肉100g、バルサミコ酢・醤油・みりん・各大さじ1、オリーブオイル、黒こしょう少々 <作り方> 1 れんこんはたわしで皮をこすって洗い、縦半分に切ってから、皮付きのままめん棒や瓶などで食べやすい大きさになるように叩く。豚肉は4等分長さに切る。 2 フライパンにオリーブオイル少々を熱し、豚肉を炒める。色が変わったら、れんこんを加えて3~4分炒める。 3 れんこんが透き通ってきたら、フライパンの底の余分な脂をキッチンペーパーで吸い取り、バルサミコ酢を加えてから、しょうゆ、みりんを加えて炒める。仕上げに黒こしょうを挽く。 バルサミコ酢を煮詰めてから、醤油、みりんを加えるのがポイント
【今月のお酒セレクト:能登の復興 支援酒プロジェクト つなぐ石川の酒 天狗舞 山廃 特別純米酒 ver.】
能登半島地震に義援金を募ることを目的とした、石川県酒造組合連合会企画の復興支援酒。1本あたり200円が義援金として寄付される。 「山廃の力強さと上品な口当たり。料理に合わせることでさらに酒の良さが感じられます。天狗舞の蔵人の多くも被災したそうですが、能登の仲間のための支援を続けています。一致団結した酒蔵相互の絆のプロジェクト。支援は続けていくことが大切ですね。”飲む”ことが少しでも役に立てば、と思います」(平野さん) 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。