福島第一原発 現地取材レポート 「燃料デブリ」取り出しは、スタートラインに立った状態
ニッポン放送・小永井一歩アナウンサーが東京電力・福島第一原発を現地取材し、「燃料デブリ」の取り出しに向けた取り組みと、その現状について、5月24日(金)のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』(毎週月~金曜日 朝6時~)でレポートした。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した際、東京電力・福島第一原子力発電所は1~3号機が運転中で、地震によって原子炉は自動的に停止したが、津波によって発電機の中の燃料を冷やす機能が失われてしまい、結果的に放射性物質を含んだ燃料が溶け落ちてしまうメルトダウンを起こしてしまった。
東京電力はこの福島第一原発を廃止して解体する「廃炉」を2051年までに完了させることを目指しているが、その最大の難関と言われているのが、溶け落ちた燃料が発電機の中の構造物と混ざり合って堆積してしまっている「燃料デブリ」を取り出す作業だ。
建屋の内部は放射線量が高く簡単に近づくことはできないため、結果的にまだデブリを取り出すことができていない状況であり、これを受けてつくられたのが、「テレスコピック装置」と呼ばれる釣り竿のような細い棒。1,3,4号機は水素爆発を起こし、2号機だけが建屋として残っているが、この装置をまず2号機のデブリが堆積しているエリアにつながる穴に入れ、そこから糸を垂らして何とかデブリを取り出せないかという計画をしている。
今回現地取材をした小永井アナは、2号機に直接入ることはもちろんできなかったが、2号機と同じ構造をしている5号機の建屋の中に実際に入り、その穴を見ることができ、次のようにレポートした。 「丸い直径1メートルくらいの蓋が横開きになっていまして、そこを開けるといろいろケーブルなどが入っていて、中をよく覗くと原子炉格納容器、デブリが堆積していると思われる場所を見ることができるんです。そこに細い棒を入れて、数g、耳かき1杯くらい、塩ひとつまみくらいの小さなデブリをいくつかの場所から取り出すということになります。しかし、そもそもそのデブリというものが液体なのか塊なのか、どんな物質が含まれているのかというのがまだ分からない状態ですので、その特徴を分析して、今後本格的にデブリを取り出す上で、どういった容器を作るか、デブリを掴み取る先端部分を一体どんな形状にするか、そういったものをこれから計画していくためにも、この試験的取り出しという作業が重要になってきて、今年の10月までに始めることを目指しているということでした」