11月なのに”高温” 秋は短くなった!? ベテラン気象予報士が調べてみると・・・「猛暑日」が100年前の約9倍に
またも記録破りの高温
11月に入ってから異常な暑さになってしまいました。5日は大阪など近畿の31地点で11月として観測史上一番の高さとなり、翌6日、京都では11月初めての5日連続夏日になるなど、過去の記録が次々と破られています。
秋は短くなったのか?
真夏並みだった9月から一転して、10月はほぼ平年並。真夏からいきなりの10月はあまりにも突然すぎて、もはや寒く感じるほどでした。そして今回のこの暑さと、この秋は気温は激動しており、秋らしい日々が少なくなったのではと感じる方も多いかと思います。 今年だけではなく、近年は「秋が短くなった」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか?大阪の気温で調べてみました。 秋らしい日は地方によって異なり、定義することは難しいのですが、ここでは8月15日のお盆以降で、比較的快適に過ごせる最高気温が20度から30度未満の日(ここでは、秋の快適日数と呼びます)と定めて数えてみます。 グラフをみると「秋の快適日数」は、観測を開始した1883年(明治16年)からあまり変化がないことがわかりました。昔も今も秋らしい日々は一年あたりにすれば、50日ちょっとと同じくらい。今年も10月にいきなり季節は進んだものの、11月になると季節は逆戻りで、現在、秋の快適日数は41日と増加中です。 11月になって25度以上の夏日は暑く感じますが、9月までのうだるような暑さではありません。11月になっても恥ずかしがらずに半袖を着たり、羽織るもので調節したりとうまく対応していけば、快適な日々をたくさん過ごせそうです。
春も変化せず。冬は短く、夏は長く。
では、春はどうなのか?秋と同様、春らしい日の定義も難しいところですが、ここでは2月から5月までの間で、最高気温が15度~25度(冬の後でもあり、寒さに慣れていると考え、秋より低めに設定しました)の日と定めてみると、グラフの通りで、こちらもあまり変化はありません。 一方、変化が大きいのは夏と冬。左側のグラフを見ると、35度以上の日(猛暑日)が激増する一方、5度未満の”極寒の日”(5度未満で「極寒」というのは北日本の方にしかられそうですが、大阪ではとんでもない「極寒」です)は減少しています。 なお2021年以降は、35度以上のペースがさらに上がっており(1年あたり、18.7日となってしまいます)、最近の夏は昔の夏と違うなあと思っている方はまさにその通り。最近の夏は過酷になる一方で、冷夏はなくなってしまいました。 また、冬の寒さはすでに昭和の終わりで急に緩んだため、昔の厳しい冬を体験していない人が多く(前回、阪神が日本一になった1985年頃までの冬は厳しく寒いものでした)、あまり暖かくなった実感を伴わないのではないでしょうか? 今年も大雪になったりして、寒いなあと感じている方も多いと思いますが、昔に比べると近頃の冬の寒さは生易しいもの。もちろん、ゲリラ的に大雪になることもあり、頻度は減ったものの、大雪の危険性はかえって増しているかもしれません。