【陸上】100m宇野勝翔が10秒09!日本選手権後「基礎から見直し」覚醒/全日本実業団
◇第72回全日本実業団対抗選手権(9月21日~23日/山口・維新百年記念公園陸上競技場)2日目 400m松本奈菜子が日本歴代2位の52秒29!!「51秒台へのステップ」覚悟の夏を過ごし自己新/全日本実業団 全日本実業団対抗選手権の2日目に行われた男子100mは、宇野勝翔(オリコ)が10秒09(+1.4)をマークして優勝した。 昨年のアジア大会200m代表が100mでも飛躍を遂げた。スムーズなスタートで飛び出すと、パリ五輪代表の東田旺洋(関彰商事)と並びかけ、「得意」の後半で一気に抜け出した。速報タイマーは10秒10で止まったが「0.01秒でもずれてくれ」。その祈りが通じて10秒09に変わり、「ここに10秒10を切るために来ました」と目標達成に笑顔を見せた。 200mでパリ五輪出場を目指したもののかなわず。その後は「100mありきの200mだと痛感した」と、順大3年時に制している100mでもう一度「基礎から見直した」。夏場はコーチ陣からのアドバイスでウォーミングアップの取り組みを変えたという。 「これまでは身体を温めることを考えていましたが、この動きが100mのどこに生きるのか、考えながら時間をかけるようになりました。2時間、ウォーミングアップだけで終わることもあります」 また、ウエイトトレーニングも入念にし、上半身や体幹周辺を重点的に強化。肩周りも力強くなった。 昨年までは決勝で力んでしまうことも多かったが、この日は「自信を持ってスタートに立てました」。桐生祥秀(日本生命)ら「あこがれの選手」だったのが、アジア大会やシニアのレースを経験し、自分の走りを貫けたことも大きかった。 パリ五輪では100m、200mはもちろん、110mハードルでは順大同期の村竹ラシッド(JAL)が5位入賞を果たして刺激を受けたという。 来年の東京世界選手権に向けて「100m、200mどちらが自信を持って臨めるか。今年の冬からしっかり定めていきたい」と、“世界”に視線を向けていた。
月陸編集部