葛西臨海公園で「海水浴」解禁 お台場でも泳げるようになる?
海の日を目前に控えた7月18日、3連休の初日ということもあって各地の海水浴場で海開きが行なわれました。東京都では、島嶼(とうしょ)部は海水浴場がありましたが、23区にはありませんでした。今年から葛西臨海公園で海水浴が可能になり、約半世紀ぶりに東京23区内に「海水浴場」が復活したと報道されています。そうなると、近隣のお台場にも海水浴場がオープンするかも? と期待は高まります。葛西臨海公園を契機に、今後は東京の各地に海水浴場がつくられるのでしょうか。
厳密には「海水浴場」ではない
葛西臨海公園が東京23区内で唯一、海水浴が解禁されたことが話題になっています。東京都心から至近にあるので、ファミリーやカップルなど多くの人出でにぎわっているようです。 「厳密には葛西臨海公園は海水浴場ではありません。海水浴場は条例で制定することになっていますが、葛西臨海公園は条例で海水浴場に指定されていないのです。葛西臨海公園で遊泳が許可されたのは、あくまでもNPOや公園協会、地元の江東区といった行政が主催するイベントという位置づけだからです」(東京都港湾局海上公園計画課) 一般的に海水浴場に定められている場所は、環境省が定める基準をクリアしなければ海水浴場としての許可が下りないことになっています。その条件とは、COD(化学的酸素要求量)、ふん便性大腸菌の数、油膜の有無、透明度の4つです。 東京湾の水質は高度経済成長期から悪化しましたが、10年以上前から東京都は水質改善に着手しました。NPOや公園協会の協力もあり、2012年には都の許可があれば泳ぐことができるようになりましたが、それでも水に顔をつけることは禁止されていました。 ところが、今年から条件が緩和。都が禁止するのではなく、水質汚濁の判断がイベント主催者に委ねられることになったのです。つまり、水に顔をつけることが可能になったのです。 水質が改善したことで遊泳が可能になった葛西臨海公園ですが、これまでの水質汚濁は荒川などから東京湾に流入する工場排水や生活排水が原因でした。東京都は工場排水を規制し、浄化設備を増やすことで流入する水質改善を達成。しかし、荒川の流域は埼玉県にまで及んでいます。そのため、さらなる水質浄化には、東京都だけの努力ではなく埼玉県など周辺県との連携も欠かせません。