葛西臨海公園で「海水浴」解禁 お台場でも泳げるようになる?
大雨の後は水質悪化の可能性も
また、近年になって頻繁に発生するゲリラ豪雨や台風による大雨は浄化施設のキャパシティーをオーバーし、未処理の汚水が流入することもあります。 「油膜の有無や透明度は測定すればすぐにわかりますが、CODと大腸菌は2~3日経たないと検出されません。当日は異常がなくても、後日になって健康被害が出ることもあります。東京都としては綺麗になった葛西臨海公園でぜひ泳いでもらいたいと考えていますが、大雨の後は水質が悪化するので遊泳や水浴はしないでください」(同課) 葛西臨海公園では、水質の状態を見ながら遊泳ができるときは青旗、注意が必要なときは黄旗、禁止のときは赤旗を立てるなど、来園者に注意喚起しています。 もちろん、良好な水質のときは泳ぐことに問題ありません。さらに、東京都は今後も河川の水質浄化を進めていく方針のため、海はどんどん綺麗になることが予測されています。水質改善が進めば、葛西臨海公園に近いお台場などでも遊泳は可能になるのでしょうか。 「葛西臨海公園は遊泳に向いている遠浅ですが、お台場周辺はすぐに海が深くなる地形なので遊泳には適していません。また、定期船の航路もありますし、たくさんの屋形船が行き交っていますので、これらの問題もクリアしなければならないでしょう。お台場での遊泳は課題が多いと思います」(東京都港湾局海上公園計画課) とはいえ、数年前まで多くの人は葛西臨海公園で遊泳できるなんて夢にも思っていなかったでしょう。お台場で泳ぐことが実現する可能性だって、決してゼロではないかもしれません。 (小川裕夫=フリーランスライター)