再審法改正意見書案 静岡県内の全議会可決へ 浜松、静岡市議会も提出「袴田さん判決受け」
再審法(刑事訴訟法の再審規定)改正を国に求める意見書案について浜松、静岡両市議会が11月定例会中に提出し、それぞれ可決される見込みであることが15日、複数の関係者への取材で分かった。同意見書を巡っては両政令市議会以外の33市町議会と静岡県議会が可決済みで、全国に先駆け、県内すべての議会で可決される見通しが立った。 再審法を巡っては、現在の静岡市清水区で1966年に一家4人が殺害された事件で死刑とされてきた袴田巌さん(88)の再審無罪に至る経過が不備を浮き彫りにした。 浜松市議会では最大会派自民党浜松と共産党浜松市議団が15日の議会運営委員会で、再審法改正を国に求める意見書案をそれぞれ提出した。次回の委員会で本会議に上程するかを採決する。両会派を含めて全ての主要会派が意見書案に賛成する意向を示しているため、同定例会中に可決される公算が大きい。 自民党浜松の須藤京子政調会長は「事件の判決に配慮して意見書の対応を保留していたが、司法での結論が出たことを受けて意見書の提出に至った」と説明した。 静岡市議会では最大会派自民党市議団が25日の議会運営委員会で意見書案を説明するために各会派との調整を進めている。第2会派の創生静岡や公明党市議会が賛成する意向を示していて、可決される見通し。12月11日の本会議最終日に上程する日程が検討されている。
静岡新聞社