初代門司駅関連遺構の撤去作業始まる…「残してほしい」市民らの声に応え一部は現地で保存・展示へ
初代門司駅の関連遺構が見つかった北九州市の公共施設予定地で28日午前、遺構の撤去作業が始まった。国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が保存を求めて「ヘリテージ・アラート」を出した経緯があり、市は一部を現地で保存・展示する。 【写真】初代門司駅の遺構と現在のJR門司港駅
遺構は機関車庫の基礎などで、市の発掘調査で見つかった。市は撤去を前提に土地の造成工事に着手していたが、「遺構を残してほしい」といった市民らの声に応え、一部を保存・公開する方針を示した。
この日は作業員らが重機を使い、機関車庫以外の遺構を少しずつ崩していった。造成工事は来年3月末までに終える計画で、市は施設の完成時期を2027年度中と見込んでいる。
機関車庫の基礎部分の一部は埋め戻して保存するほか、別の一部を施設内の床下に移して展示する予定で、具体的な計画は今後、検討する。市事業推進課は「設計変更や工期に遅れが生じない範囲で遺構を残していきたい」としている。