藤原竜也、四十代で「異常」なピュアさ!広瀬アリスのほうがお姉さんのように見えるシーンも/『ゼンケツ』最終回
これほど荒唐無稽なドラマなのに、このエモさ。藤原竜也の芝居に圧倒され続ける『全領域異常解決室』(フジテレビ系 水よる10時~)がいよいよ最終回を迎える。 このドラマの特性は、地上波の放送直後にFODで次の回がすぐに見られることで、筆者は待ちきれず、第9話の放送後、続けて最終回を見てしまった。そして、どうしても藤原竜也について書いておきたくなったのである。 ここでは決定的なネタバレを避けながら、藤原竜也の芝居が最後まですばらしかったことについて書いていきたい。
藤原竜也と広瀬アリスの人間らしいシーンが胸に迫る
全領域異常解決室(全決 ゼンケツ)とは、神隠しや狐憑(きつねつ)きなど科学では解明できない超常現象や不可解な事件を解決する警察内で世界最古の捜査機関で、メンバーは全員・神だった。 彼らは古来から何度も転生を続け、人間を見守ってきたのだが、次第に人間の科学技術が進化し、神の力を凌駕(りょうが)しつつあった。そんな現代に、謎の神・ヒルコが現れ、神殺しと人間の「選別」を行いはじめる。要するにヒルコは新時代の神として、これまでの神と人間との関係に終止符を打とうとしているのだ。 この壮大な戦いの結末やヒルコの正体は最終回(12月18日放送)をぜひ楽しみに見ていただくとして、藤原竜也である。 藤原竜也が演じているドラマの主人公・興玉雅は、ゼンケツの室長代理で、その実体は興玉神という猿田彦大神のゆかりの神である。……と思いきや、それは仮の姿であった。 実は天石戸別神という、境界の門番的な存在で、外から侵入しようとする災厄を防いだり、あるいは現世にいる者を黄泉に送ったりする役割を持っている。興玉は正義と悪を見分ける力があるとされていたがそれは、ジャッジする能力者ということだったのであり、冷静で淡々としたキャラはこの役割ゆえだったのだろう。 ゼンケツの室長は、雨野小夢(広瀬アリス)で彼女は天宇受賣命(アメノウズメノミコト)。でも、ヒルコに狙われ、神の記憶を失ってしまった。人間として再びゼンケツに配属された小夢は興玉たちと行動していくうちにじょじょに神時代の記憶が蘇ってくる。 神としての彼女は輪廻するたびに猿田彦大神である芹田(迫田孝也)と夫婦になる宿命のようなものがあった。だが第9回で、興玉は豊玉姫命(とよたまひめのみこと〈福本莉子〉)から、小夢が好きなのではと指摘される。彼はさらりとはぐらかすのだが、最終回では興玉と小夢のエモい場面が……。 このときの藤原竜也の芝居は見どころである。ヒルコと神の戦いや人類は選別されてしまうのかという切迫した問題をさしおいて、興玉と小夢の人間らしい(神だけど)のシーンが胸に迫る。