U-21が日韓戦敗北で得たリオ五輪へ向けての課題と収穫
クラブでの成長という点では、この試合で最も悔しい想いを味わっているはずの大島にも期待したい。川崎フロンターレでは紛れもないレギュラーだが、チームの中心は中村憲剛であり大久保嘉人。大島がそうした先輩たちに頼ってしまう面があるのは否めない。キャプテンを務めた今大会では、チームメイトに声をかけ、ゲームコントロールにも頭を悩ませてきた。それをこれからはクラブでもするべきだ。クラブでしていないことを、代表チームに来て、国際試合の場で急にできるものではない。 もちろん、こちらが言うまでもなく、彼らは充分理解している。「1日1日を無駄にしないように。日々努力しないといけない。それは分かっています」と矢島が言えば、鈴木も「チームに帰ってレベルアップしないといけない。精度、フィジカル、メンタルをさらに高めていきたい」と武蔵も言う。大島も「もっと成長しないと、この先、選んでももらえないなって思っています」と言った。 だから、Jリーグが楽しみなのだ。今大会で感じた悔しさをぶつけ、得た経験を生かす場は、次の韓国戦ではなく、再合流したクラブでの練習であり、週末のリーグ戦だ。来年3月には、2016年のリオ五輪出場国を決める1次予選がスタートする。また年内には海外での強化合宿を組む予定もあるという。クラブでポジションを奪い、活躍し、次に集まったときに成長した姿を見せられてこそ、この日韓戦の敗北に価値が生まれる。 (文責・飯尾篤史/サッカーライター)