正社員の採用予定、3年ぶりに低下 「賃上げ」「原材料高」などが背景に
非正社員の採用予定がある企業は45.9%、3年ぶりに低下
2024年度の非正社員の採用状況について、『採用予定がある』(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)企業は45.9%(前年度比1.4ポイント減)と3年ぶりに低下した。 一方、『採用予定はない』企業は同1.2ポイント増の40.4%となり、2年ぶりに4割を超えた。 『採用予定がある』企業からは、「インバウンドが戻りつつあるなかで、受け入れ施設としてはそれに対応していく必要性を感じている」(旅館・ホテル)などの声が聞かれた。 一方、『採用予定はない』企業からは、「客先のアパレル関係、百貨店およびスーパーの衣料品が回復しない限り、新規雇用を考えることは難しい」(繊維・繊維製品・服飾品製造)といった厳しい声があがっていた。
非正社員『採用予定がある』割合、飲食店やホテルなど「個人消費関連」で高く
業種別に非正社員の『採用予定がある』割合をみると細かい業種別では「飲食店」(88.1%)や「旅館・ホテル」(84.2%)といった個人消費関連の業種で『採用予定がある』割合が高い傾向となっている。 なかでも、「飲食店」では採用人数が「増加する」企業が38.5%と、全体(11.9%)を26.6ポイント上回った。割合は前年より低下したが、インバウンドを含め人流の増加への対応で、採用が活発となっているとみられる。
4割近くの企業で「女性」や「外国人」など多様な人材の採用を強化予定
将来的な労働力不足に対して多様な人材の活躍が期待されるなか、今後の「外国人」「高齢者」「女性」「障害者」のいずれかの人材について『採用予定がある』企業は78.4%だった。 なかでも、「採用を拡大」する予定の企業は37.7%と、4割近くの企業で多様な人材の採用を強化する動きがみられる。 『採用予定がある』について人材別にみると、「女性」は72.6%で最も高く、「高齢者」が50.2%で続いた。「外国人」(31.6%)および「障害者」(30.4%)は3割台となった。 また、「採用を拡大」企業についても「女性」(19.4%)が最も高かった。他方、「外国人」(16.7%)および「障害者」(13.8%)の割合は「高齢者」(10.9%)を上回る結果となり、特に「外国人」は「採用を拡大」する企業の割合が「変わらない」を上回っている。