でんぱ組.inc、OWV、OCHA NORMAらが登場 新たな音楽番組『JOYNT POPS』#2収録レポ
「SONGS」や「Venue101」など、さまざまな切り口でポップスの魅力を届けているNHKの新たな音楽番組「JOYNT POPS」が、10月より放送スタートした。本番組のコンセプトは“楽しんで(ENJOY)つながる(JOINT)”。番組HPに寄せられたファンの声がステージや各種企画の内容に反映される、ファンとアーティストが一緒に創り上げる音楽プログラムだ。今回はNHKホールで行われた公開収録より、でんぱ組.inc、OWV、OCHA NORMA、Neil、パンダドラゴンが登場し、NHK BSP4K(10月16日放送)とNHK BS(本日10月19日 23:30~放送)で放送される#2のレポートをお届けする。 【写真ギャラリー】JOYNT POPS #2 ライブ写真 「JOYNT POPS」は、毎回1組を“JOYNTアーティスト”として取り上げ、ライブステージや企画コーナーでそのアーティストの魅力を多角的に紹介するのが特色になっている。放送第2回の“JOYNTアーティスト”として登場したのは、アイドル戦国時代と呼ばれた2010年代から日本のアイドルシーンを盛り上げてきた秋葉原ディアステージ発の7人組ユニット、でんぱ組.inc。彼女たちは2025年頭にエンディングを迎え、活動の幕を閉じることを発表しており、現在は全国を巡るエンディングツアー「宇宙を救うのはきっと、でんぱ組.inc!」を行うなかでの貴重なテレビ出演となる。 エンディングを迎えるまでに音楽番組に出演するのが念願だったという彼女たちは、“LAST EP”と銘打たれた最新作『We need the DEMPA』より先行配信曲「商売繁盛!元祖電波屋!」を披露。「でんぱれーどJAPAN」「サクラあっぱれーしょん」など数々の代表曲を手掛けてきた玉屋2060%(Wienners)の書き下ろしによる本楽曲は、電波ソングをコンセプトに活動してきた彼女たちの“らしさ”が隅々にまで充満した、高速詠唱のような歌詞が高音ボイスで駆け抜けていく超ハイテンションなナンバーだ。黒地に銀のグラフィックがプリントされた揃いの衣装を着た7人が、ときに阿波踊りっぽい動きを取り入れながら縦横無尽に動き回る振り付けも相まって、とにかく情報過多の極み。だが、最後まで自分たちのスタイルを貫く姿勢がかっこ良くもあり、アイドルとしての矜持を感じさせる。 番組MCのミキティこと藤本美貴とMCゲストの古坂大魔王を交えたトークコーナーでは、メンバーたちがでんぱ組.incへの想いを口々に語るなか、グループの生みの親であるプロデューサーのもふくちゃんこと福嶋麻衣子からの手紙が読み上げられるサプライズも。涙するメンバーもいて感動的な一幕だったので、ぜひオンエアで確認してほしい。 そして彼女たちはもう1曲、2015年発表のシングル曲「あした地球がこなごなになっても」を歌唱。結成時からのメンバーで、グループのリーダーを務める相沢梨紗がセレクトしたというこの楽曲には、彼女が「明日、地球がこなごなになるとしたらどうするか?」という問いかけに対して「でんぱ組.incとしてライブがしたい」と答えた内容が歌詞に織り込まれており、エンディングに向けてラストスパート中の彼女たちの状況を踏まえると、儚くもエモーショナルな曲調がより心に響く。すれ違ったり、背中合わせになったり、メンバーを抱き寄せたり、手を取り合ったりと、全体でひとつの物語を描くような振り付けも秀逸で、楽曲の後半では背後のスクリーンに彼女たちの過去のライブ映像が映し出され、銀紙が粉々の星屑のように降り注ぐ演出も。胸がギュッと締め付けられるような、最高のステージを最後に見せてくれた。