第一三共ヘルスケア、「興味EC」で中国向け認知拡大 ショート動画で顧客接点を強化
第一三共ヘルスケアは、中国最大のショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、ドウイン)」が提供する越境ECサービス「抖音電商全球購(Douyin EC Global)」を活用し、中国市場で認知度を高めている。日本で50年以上の歴史のある敏感肌向けスキンケアブランド「ミノン(MINON)」の日焼け止めが、紫外線吸収剤フリーのノンケミカル商品として注目され、販売を一気に伸ばしたという。AIを使って潜在購買層に直接アプローチし、ショート動画やライブコマースという新しい手法を駆使し効果的に顧客との接点をつくっていることが成功の鍵となっている。 インフルエンサー活用の流れなど、もっと写真を見る
抖音電商の強み
第一三共ヘルスケアは、ドウインの強みを中国の消費者の約半数に相当する6億人のアクティブユーザーを抱え、利用頻度が高く、滞在時間も長いと分析している。2019年から従来型のECプラットフォームに旗艦店を出して中国向けの越境EC事業を開始したが、2021年に抖音電商へも参入し、約半年かけてチームを構築して運営を本格化させた。中国現地のライバル企業が同プラットフォームでの販売に成功しているのをみて、着想を得たという。 抖音電商は、「興味EC(インタレストEC)」という独自のコンセプトを打ち出している。パーソナライズされたレコメンド機能と高精度なマッチングで、ユーザーの潜在的ニーズを見つけ出し、発見型ショッピングにつなげる。第⼀三共ヘルスケアの国際部・中国EC事業責任者である李堯⽒は、ブランドが消費者のプロフィールを基に的確にプロモーションできるほか、その時点で商品に興味のある消費者に効率よくアプローチすることができ、情報提供から購入までを緻密にフォローするように設計されているため、導入効果が高いと評価した。暇つぶしにショート動画を見ているユーザーの興味をAIが捉え、自然に魅力的な商品コンテンツを流すことで購買意向が高まる仕組みとなっている。 第一三共ヘルスケアは、30代前後を中心とした幅広い年代に訴求し、比較的所得の高い都市部の顧客層にアクセスできているという。