井上尚弥が中谷潤人とのビッグマッチ構想に一言!「オレと戦うステージに上がってくる前に“クセもの”拓真という壁がある」
まずは、拓真が堤を撃破することが最重要事項だが、井上は「スパーリングで自分が仮想堤をやってサポートする」という。 井上は堤とスパーリングを多く経験していて「手の内は知っている」ため、堤をコピーして攻略法まで伝授するつもりでいるのだ。 またこの日は、大橋秀行会長が将来構想として、井上対天心のドリームカードも口にした。だが、井上は天心戦についてはリップサービスを封印した。 「そっちの方がまだない話じゃないですか。チャンピオンにもなっていないじゃないですか。会長的にはプロモーターとしての話でしょう。階級も違うし、土俵にも上がってきていない。土俵にあがってきたらまた聞いてください」 井上の言う土俵とはもちろん世界のベルト。天心も7大世界戦プラスアルファとして2日目の10月14日のカードに組みこまれ、ボクシング転向5戦目にしてWBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦に出場し、23歳の9戦全勝のジェルウィン・アシロ(フィリピン)と対戦する。天心に関しては、井上―ドヘニー戦のセミファイナルで、元WBC世界フライ級王者、比嘉大吾(志成)との死闘を制してV1に成功したWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)が対戦を呼び掛けており、こちらも立ちはだかるのは、井上の後輩の元K-1ボクサーとなる。 井上が本当に見据えているのが5階級目となるフェザー級への転級だ。今回当日体重を過去最重量となる62.7キロまで増やした。11キロ増のドヘニーのパワーに対抗するという目的もあったが、「どこまでリカバリーできるかを試した」ともいう。フェザー級転級を念頭に置いてのテストだった。 「フェザー級へのカウントダウンってほどではないが、残りのキャリアから逆算すると、(増量を試すのは)このあたりなのかなあと。(ボクシングは)10年できるスポーツじゃない。あと何年と限られたスポーツ。逆算をしなきゃいけない。(今後)何ができるか。フェザー級に上げるしかない。だから慎重にやりたい」 来年いっぱいはスーパーバンタム級に留まる考えでいる。来年も3試合行うなら、12月のグッドマン戦を含めて残り4試合だ。しかしこうも言う。 「1年半後、2年後の体は、その時になってみないとわからない。減量がしんどいなら(フェザー級転級を)前倒しするし、2年たってもスーパーバンタム級でできるなら、そのまま続けるしね」 2026年に予定しているフェザー級転級が来年に早まる可能性があることも示唆した。そうなるとたとえ拓真が壁になれなかったとしても、中谷とのビッグマッチが幻に終わってしまうかもしれない。 アラムCEOは来年に米ラスベガス興行を計画していることも明かしている。いずれにしろ日本の枠組を超えて世界のボクシング界がパウンドフォーパウンド2位にいるモンスターを中心に回ることになる。
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