キューバへの旅心誘う映画に観客も興味津々!詩人ロルカも称賛したサンティアゴ・デ・クーバ
ジャーナリストとして働いたのちにキューバ国立映画芸術産業庁(ICAIC)に入ったサラ・ゴメスは、キューバ初の女性監督となった。これについて濱さんは、ある批評家の文章を読んで、2009年にいたるまで、キューバのICAICではほかの女性監督が現れなかったことを踏まえ、「すごいことだ」と強調した。 「サンティアゴへ行こう」に関し、濱さんは、ハバナからサンティアゴ・デ・クーバに「バスで15時間かけて行った」との思い出を語り、「サラ・ゴメス監督はハバナだけでなくいろんな場所でドキュメンタリーを撮った」とも述べた。この作品について、岡田さんは「すごく行きたくなる感じの映画ですね、観光映画としても成立している」と分析する。サラ・ゴメス作品が、今回、様々な復元措置がとられた作品を集めた映画祭で上映されたことについて、濱さんは、このような「美しい素材で拝見できるのに感銘を受けている」と話していた。 ロルカがキューバの首都ハバナ経由でサンティアゴ・デ・クーバを訪れたのは1930年。その頃から、アフリカ系、スペイン系文化などが融合してうまれた音楽ソンの魅力は知られていた。だからこそロルカの詩の題名になっている。1959年の革命を経て、キューバの人々の音楽、芸術、スポーツでの才能はますます開花していったのは、世界中の人々がよく知っている。 革命の課題の一つは人種差別をなくすことだったが、アフリカ系の人々の才能が育てられている様子は、「ある方法で」に登場するアフリカ系の元ボクサーがギターをつまびいて歌う音楽家に転身している様子に如実に表れている。 現在のキューバ社会がどのように形成されてきたかを知り、キューバ観光の「予習」をするためにも、サラ・ゴメスの2作品は是非見ておきたい映画である。