アモレビエタで今季プレーする中井卓大（撮影・高橋智行）

＜スペイン3部リーグ・グループ1：アモレビエタ0－2ビルバオB＞◇4日◇カンポ・ムニシパル・ウリチェ◇第7節 　【バスク州アモレビエタ・エチャノ＝高橋智行通信員】今季はバスク州を拠点とする3部アモレビエタでプレーする「ピピ」ことMF中井卓大（20）が、ホームのビルバオB戦にボランチで先発出場し、後半17分までプレーした。チームは0－2で敗れた。 　中井は10歳で加入したRマドリードから今季、昨季のラヨ・マハダオンダに続く2年連続の期限付き移籍でマドリードを離れ、アモレビエタに加入している。 　24日に21歳の誕生日を迎える中、プレシーズン中に監督の信頼を勝ち取り、ビルバオB戦で開幕から7試合連続の先発出場を達成。4－2－3－1の左ボランチに入るも、ダブルボランチのコンビを組んだベン・ハメドがポジションを離れることが多かったため、実質的に4－1－4－1で戦っていた。 　ワンボランチ気味でプレーした中井は味方に指示を出しながらピッチを幅広くカバーした。攻撃では前にほとんど上がらずつなぎ役に徹し、時折サイドに好パスを出すも、チームはほとんど攻撃できない劣勢の状況に陥っていた。 　そのため、守備に追われる場面が多く、ビルバオBの前線に上がってきた選手を捕まえ、DF陣の防波堤となって、相手のシュートをブロックした。また前半終了間際に今季初のイエローカードをもらっていた。 　後半も前半同様にチームが押し込まれる苦しい展開の中、中井は4分に自陣からドリブルで3人を突破するシーンがあったが、周囲との連携が悪く、ボールを後ろに下げざるを得なくなっていた。チームの出来の悪さもあり、試合を通じてボールをあまり受けられず、17分にピッチを後にした。 　プロキャリア3年目にしてレギュラーの座を確固たるものにした中井の3部リーグ成績は、7試合567分出場（すべて先発。4試合フル出場）で、これまで得点、アシストともにない。 　試合後、この日のプレーについて「あまりボールを触れなかったですね。僕の動きが悪かったのか、相手によく閉められて、ビルバオの守備が良かったのか分からないんですけど。なんかあまりボール触れなかったなっていうのはありましたね」と反省を口にした。 　試合は金曜日20時30分の寒空の中で開催されたにもかかわらず、多数の観客を集めた。ホームのアモレビエタは守勢に回る時間が長く、前半32分にこぼれ球をFWアスクネが詰められて先制点を許した。 　1点を追うアモレビエタも後半14分、FWマリンのシュートが相手DFの手に当たったかに見えたがPKの笛は鳴らなかった。後半27分、縦1本のパスからFWイバイ・サンスに追加点を奪われると、ほとんど反撃できないまま0－2の敗北を喫した。 　アモレビエタのリーグ戦成績は、7試合1勝2分け4敗の勝ち点5で暫定18位と降格圏で苦しんでいる。