失われた海草藻場の復元にロボットが一役 米
比較研究
この海草植え付けロボットはこれまで、北米、欧州、東南アジアで稼働している。2024年7月には、英ウェールズで2万5000個の種子を植え付けた。 結果を確認するには時間がかかるとオークス氏は話すが、22年に行った最初の試験的プロジェクトでは手作業で植えた場合と同等の質、量のアマモが育ったとも付け加えた。この結果が追い風となり、植え付けの機械化は速度と規模の両面で実現可能だとの見方が確立した。 昨年10月、リーフジェンはノースカロライナ大学の海洋科学研究所と提携し、様々な種子ベースの海草復元法を対象とする比較研究を行った。その中にはロボットによる植え付けも含まれる。 ノースカロライナ州沿岸に生息する大規模な海草の個体群は、毎年徐々にその数を減少させている。 「我々の海草藻場の多くは、非常に切れ目なく広がる存在からよりまだら状の環境へと移り変わってしまった。そのためこの流れを逆行させる方法を真剣に探ろうとしている」。ノースカロライナ大学の海洋科学研究所所長を務めるジョエル・フォドリー教授はCNNの取材に答えてそう述べた。 フォドリー氏のチームは昨春、海草の量が多すぎる供給地から種子を収集し、湿度の高い研究所で秋まで保管した。秋になるとこれらの種子は通常発芽し、植え付けの準備が整う。 こうした種子は研究者らが新たな海草藻場に育つと見込む地点や、かつて海草藻場があった地点に設置されるとフォドリー氏は説明する。 数日の間に、グラスホッパーは1000個の種子をアウターバンクス南端沖に設定した1000平方メートルの四分円の範囲に植えた。今後はこれを、手作業で植えた対照用のエリアと比較する。 オークス氏はこのような科学的研究がデータの推定に寄与すると指摘。具体的にはロボットの植え付けのペースや、次回の調査での改善点が明らかになるという。 ここまでの植え付けはまだ膨大な手作業に頼っているが、テクノロジーを駆使した自動化が可能になれば作業は間違いなく格段に実用的かつ大規模なものになるとフォドリー氏はみている。