（写真：静岡新聞社）

　静岡市がJR東静岡駅北側市有地（約2・4ヘクタール）での整備を目指す多目的アリーナの基本計画案で、概算事業費を約300億円と想定していることが24日、関係者への取材で分かった。収容人数は8千人以上とし、2030年度の完成を目指すとしている。 　市は25日の市長定例記者会見で基本計画案の詳細を発表する。パブリックコメントを実施し、本年度内の計画策定を目指す。 　事業手法は、PFI（民間資金活用による社会資本整備）手法の一つ「BTコンセッション方式」を取り入れるとした。同方式では、事業者が自らの提案に基づいて公共施設を設計、建設し、完成後に市に所有権を移転。事業者は市から施設運営権を購入し、施設利用料などを自らの収入として運営する。市は30年とする運営権対価収入により財政負担を抑えるほか、アリーナに防災拠点機能を持たせることで、国の緊急防災・減災事業債の対象も目指すとした。 　最寄りの東静岡駅、アリーナ、静岡鉄道長沼駅を平たんにつなぐペデストリアンデッキの整備も基本計画案に明記する。東静岡駅南側のグランシップや27年度完成予定の新県立中央図書館と連携し、新たなまちづくりに取り組むと掲げる。 　市は今後、PFI法に基づくアリーナ整備事業の実施方針を公表し、事業者提案を公募する。運営権対価相当額などの提案を受けた上で、市が負担する事業費を予算措置する。