調査員かたる不審者、浜松市が注意喚起 特殊詐欺や強盗事件への発展懸念
浜松市は24日、国が現在実施している全国家計構造調査の調査員をかたる男が市内の住宅を訪問し、年収などの世帯情報を聞き出そうとする不審者事案が発生したと発表した。調査員が調査情報を直接聞くことはなく、市は特殊詐欺事件や首都圏で相次ぐ闇バイトを発端とした強盗事件などにつながる恐れもあるとして、注意を呼びかけている。 市文書行政課によると、21日午後2時ごろ、調査員を名乗る男が浜名区内の住宅を訪れ、住人男性から世帯の年収や近隣の世帯情報などを聞き出そうとした。男性はすでに正式な調査員に対応済みだったため不審に思って問いただすと、男は「調査員を交代した」などと口ごもり、その場を立ち去ったという。 男は「モチヅキ」と名乗り、年齢は30~40代くらい。身長170センチ程度の痩せ形で、顔写真付きの調査員証のようなものを提示した。市の任命調査員に対象者はいなかった。 国は5年に一度、家計の実態を把握するため、無作為抽出の全国約9万世帯を対象に消費や所得、資産、負債などを調査している。市内対象は288世帯。事前に市の任命を受けた調査員が対象世帯を回って通告し、公式の調査員証を携帯した上で調査票を配布している。調査票は調査員が後日回収するか、インターネットでも回答できることになっている。 首都圏で発生した強盗事件では、現場近くの住宅にリフォームの飛び込み営業や家屋の修繕業者などを名乗る不審者が訪問していて、資産状況の下見だった可能性もあるという。 同課の担当者は「調査員の身分をしっかりと確認し、不審な際は市に問い合わせてほしい」と呼びかけている。問い合わせは各区役所と各行政センターへ。
静岡新聞社