物価がずっと上がっているのに、年金はずっと「定額」なのでしょうか? 祖母が「このままじゃ暮らしていけない」とぼやいています。
年金は今後どうなっていくのか? その対策は?
老齢年金の給付水準は、賃金・物価上昇局面ではマクロ経済スライドにより実質的には負担増加となってしまいます。老齢年金の給付は老後生活の重要な収入源でありますが、その給付水準は一定ではありません。 今後の年金の給付水準は、経済成長や少子高齢化の影響などさまざまな要因をもとに複合的に判断されています。公的年金の将来的な給付水準の見通しは「財政検証」で行われています。財政検証は4年ごとに発表されています。 2024年版の財政検証では、夫婦の年金が夫の現役時の所得のどの程度を代替できるかを示す「所得代替率」が現在の61.2%から、高成長が実現できた見通しでも56.9%に低下すると予想されています。 現在すでに年金生活を送っている方はマクロ経済スライドによる給付額の実質的な減少に、現役世代も所得代替率の低下に、それぞれ備えていく必要があります。 その対策としては、まず自助となります。家計の見直しを行って節約できる支出は削減を進めつつ、貯金を行ったり、iDeCoやNISAなどを活用したりして資産運用を併用するという方法があります。老後生活を安心して迎えるために公的年金の動向を把握しつつ自助を進めていくことをおすすめします。 出典 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 厚生労働省 第16回社会保障審議会年金部会 資料1 令和6(2024)年財政検証結果の概要 執筆者:菊原浩司 FPオフィス Conserve&Investment代表
ファイナンシャルフィールド編集部