「我々は大谷翔平に(死球を)ぶつけたりしていないぞ!」ド軍がパ軍に完敗したPS第2戦は放送禁止用語の罵り合い&ファン暴走の異常事態で“遺恨”が残る可能性も
そして7回のドジャースの攻撃を前にマウンド上でダルビッシュが投球練習を行っている最中に、前代未聞の“暴走”をドジャースファンが起こす。劣勢に苛立つファンがレフトのプロファーにボールを投げつけたのだ。プロファーが審判団にクレームをつけて、ファンと口論になると、もう1球ボールが投げ込まれた。 マイク・シルト監督が駆けつけて全野手がプロファーのもとに集結。ダルビッシュまで歩み寄り、場内が騒然となった。警備員が“犯人”を連行したが、今度はビール缶が数個投げ込まれた。 「場内にものを投げ込まないで下さい。即退場となります」 異例の警告アナウンスが繰り返され、試合後にダルビッシュも「あんなことを経験したことがなかった」と振り返った異常事態である。 伏線は、1回にムーキー・ベッツのレフトへの本塁打性の当たりをプロファーがスタンドにグラブを差し出してスーパーキャッチした場面にあった。プロファーは、そこで捕球を邪魔しようとしたファンと口論になっていた。 「それが私の願いの一つだった。本塁打を奪いたかったんだ。そして、プレーオフの試合でそれをやったんだ」 プロファーは超ファインプレーを自画自賛したが、このプレーが騒動の伏線になった。外野に警備員が20人も配備されて約9分間試合が中断された。 再開後にダルビッシュは、この騒動に動揺することもなく、走者を出しながらも、この回を無失点に抑えた。7回1失点の好投。3度対戦した大谷を、空振りの三振、一塁ゴロ、投手ゴロと封じ込んだ。 実は7回終了後にマチャドが選手を集めて緊急ミーティングを開いていた。 ESPNが報道したもので、タティスは、こう明かした。 「あのような瞬間にはチームとして団結しなければならないんだ。プロファーがボールを投げつけられるのを見た。彼には怒る権利があるが、我々には果たさねばならないことがあることを彼も理解している」 そしてマチャドが開いた緊急ミーティングについて「私たちはグループとしてどういう存在なのか。そして私たちがどれだけクレイジーに変貌することができるのかを思い知らされた」と振り返った。 マチャドの緊急ミーティングでパドレス打線に火がついた。8回にジャクソン・メリル、ザンダー・ボガーツが連続ホームラン、9回にもカイル・ヒガシオカ、そしてタティスにこの日2本目の一発が飛び出して10-2のスコアでドジャースに一矢を報い、対戦成績を1勝1敗の五分とした。 試合後にロバーツ監督も、この異常事態について苦言を呈した。 「私はここで1000試合以上を見てきたが、こんな光景は今まで見たことがない。ファンの興奮はわかるが絶対に起きてはいけないことだ」