住宅購入の契約をしたのですが他の人が先に購入してしまいました。どのようなルールなのでしょうか?
住宅購入に際して、購入希望を示して申し込んだにもかかわらず、結果としてあとから現れた他の購入希望者が契約に至るケースがあります。本記事では、住宅購入の契約に関する基本的な事項と契約時に気を付けたいポイントを紹介します。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
申し込み=売買契約ではない
住宅購入の「申し込み」とは、買いたい物件に対して購入希望の意思を示す行為です。購入希望者が売り主に「この物件を購入したい」という意向を伝え、購入金額や引き渡し時期などの条件について売り主と交渉を開始します。 しかし、この段階ではまだ正式な契約ではありません。売買契約が成立するのは、売り主と買い主が条件に合意し、正式な契約書を交わした時点となります。 売買契約が結ばれていないかぎりは、どちらからも交渉を撤回することが可能です。つまり、購入を希望しているからといって、必ずしも物件を購入できる権利があるわけではなく、売り主は条件が合わない場合、他の購入希望者と交渉を進められます。 また、申し込み後に他の購入希望者が現れた場合、より好条件の希望者が優先されるケースもあるため、売買契約の段階に進むまでは状況が変わる可能性があるのです。 ■申し込みの段階なら別の人が購入する可能性がある 申し込み段階では、他の購入希望者も同じ物件を検討できます。例えば、売り主に買付証明書(購入申込書)を提出して条件交渉を始めたとしても、他の購入希望者が同じ時期に申し込みを行えば、売り主は交渉相手を選ぶことが可能です。 なお、購入希望者が提示する条件だけでなく、資金計画の確定状況も優先順位を決めるうえで重要視される要素の一つとなります。 例えば、Aさんが事前にローンの融資審査を通過して資金計画が確定しているのに対し、Bさんはまだ審査を受けていない段階にある場合、売り主にとって信頼性の高いAさんとの交渉が優先される可能性が高くなります。資金計画が確定していることで、売り主はスムーズに契約を進めやすくなるからです。 購入意思だけではなく、進行状況や資金の確実性が売り主にとっての判断材料となるため、申し込み段階では他の希望者が優先される可能性も十分に考えられます。 申し込みを行う際は、事前に資金計画や条件を整え、迅速に交渉できる体制を整えておくことが、契約を有利に進めるうえでのポイントといえるでしょう。