高速道路走行中に扉が開き、あおり運転、遅れは当然… 「安かろう悪かろう」の米グレイハウンドバス「鉄道なにコレ!?」【番外編・下】
別の予約したグレイハウンドのバスが来ないことを尋ねた利用者には「私は予約係ではないから知らないわよ!あっちで待っていなさい」と追い払った。日本ならば「自社の予約便が遅れて困っているお客様に何という言いぐさだ!」と苦情が出かねない“塩対応”だ。 満席の中、後方の四つの座席で複数の予約が入っているダブルブッキングが起きたという。このため、自分の座席があてがわれなかった4人の客が空いている最前列に座ろうとすると、運転手は「ここは空けてあるはずなのになぜ座るのよ!」と激高した。 ダブルブッキングはグレイハウンドの過失だが、何の罪のない乗客に「私は後ろに座られるのが嫌なのよ!」としきりと毒づいている。「まさか全席の予約を入れるなんてね!」と会社の予約態勢にも不満を漏らしながら、渋々と自分のかばんをフロントガラスの手前へ移して1列目の座席を開放した。 往路で1列目が空いている時は意識しなかったが、2020年に乗客の男が銃を発砲して6人が死傷する事件も起きたグレイハウンドではバスジャックの潜在的リスクもあり、防犯のために空けている面もあるようだ。
▽まさかの運行打ち切り!? バスは出発したが、交差点で曲がった際になんと扉が開いた。運転手のかばんは転がって車外に放り出されたようで、運転手は路肩で急停車して「私のかばんが放り出されたじゃないの!何ということだ」とこぼしながら拾うために降りた。 この時は運転手がスイッチ操作を誤ったため扉が開いたのかと思った。だが、再び走行中に「プシュー」という空気音とともに再び扉が開き、運転手が慌てて停車して手動で閉めた。この様子を眺めて「運行が打ち切りになるのではないか」と予見した。 というのも、バスはこれから州間高速道路「I-95号線」に入って南下する予定だ。高速道路で扉が不用意に開いてしまえば隣の自動車と接触したり、最悪の場合は扉が開いて外れたりするリスクが伴う。運転手が電話で「扉が壊れている」と伝えるのが聞こえたこともあり、ニューアークの停留所に戻って「バスが故障したので運転を打ち切ります。料金の返金手続きをしてください。さよなら!」と走り去る様子が想像できた。