「レンチン」だけでも大丈夫…秋の旬「かぼちゃ」「りんご」「さつまいも」「栗」の調理方法
「旬の味覚」で身体をととのえる
秋の五臓(※)である肺はとにかく乾燥に弱いため、とくに食べ物でしっかりと“潤い”を補給することが、養生のコツ。そこで、この時期に食べたい「旬の味覚」と、その効能について、ご紹介していきます。 秋に食べたい食材として、山芋や松の実、白きくらげ、ゆり根などの「白い食材」(関連記事参照:秋に食べると「健康コスパ」が上がる食べ物《ベスト4》…!睡眠の向上、ダイエット、呼吸器の炎症、肌の乾燥に効果)もおすすめですが、それ以外の、自然の甘みを堪能できる食材をみていきましょう。
「りんご」は秋の「潤い補給剤」として優秀
秋から冬が旬の、日本人には身近なフルーツであるりんご。潤いを生んで乾きを止めるりんごは、いわゆる“潤い補給剤”として優秀な食材です。 中医学では平性(へいせい)という性質を持ち、身体を冷やすこともありません。おすすめは、身体を強力に温めてくれるシナモンと組み合わせ。 スライスしたりんごにラップをふんわりかけてレンジで3分ほど加熱し、シナモンパウダーを振りかけてください。もちろん、オーブンでじっくりと焼き上げた焼きりんごとシナモンの組み合わせも、美味しくて最高です。
「さつまいも」はカリウムや食物繊維が豊富
「秋なのに疲れて食欲が出ない……」という人にうってつけなのが、さつまいも。こちらも秋から冬が美味しい旬の食材です。 芋類は、エネルギー補給にとてもいいんです。りんごと相性が良いので、一緒にコトコト煮て甘いデザートにしてもいいですね。さつまいもは芋類の中でもビタミンCが多く、カリウム、食物繊維も豊富なので、便秘がちの人や美肌にも。
「栗」は冬に備えた身体作りにピッタリ
秋の実りといえば栗ですね。栗には胃腸を元気にし、足腰を強固にする力があります。 疲れやすく気分の落ち込みやすいこの時期にはうってつけの食材。冬を司る五臓である腎(じん)も補うので、冬に備えた身体作りにもぴったりです。 ただし、いくら「食欲の秋」といっても食べすぎには気をつけましょう。食べすぎ、飲みすぎは、秋に限らず1年を通して、不調の原因となってしまいます。食の不摂生を減らすこと、そして旬の味覚を取り入れることが養生の基本です。 …つづく<「これ、止めてみて」…秋の季節の変わり目に《やってはいけない》2つの意外なこと>では、予約が取れない漢方家がおすすめする秋に摂るべき食材をお伝えします。 (※)中医学の思想で「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」という。五行は、季節や感情(五志)などともつながる。
櫻井 大典(漢方コンサルタント)