増殖しすぎてドローンで全体を映せない 数ヶ月でダムの水面を覆いつくした緑の正体は「特定外来生物」【MRTニュース2024を振り返る】
もともと「ボタンウキクサ」は、観賞用として輸入された熱帯原産のサトイモ科の植物で「特定外来生物」に指定されている。 岩瀬ダムでは去年10月にウキクサが確認され、11月には約11ヘクタールに繁殖。 県では、今年2月から4月にかけて除去作業を行い1ヘクタールまで減らした。 その直後の写真がこれだ。 ■2キロ以上 東京ドーム9個分にあたる面積に しかし・・・ (都城土木事務所・鏡園義幸課長) 「5月の連休明け以降に、爆発的に増殖して現在に至っているところです」 およそ1か月後、ウキクサは再び大繁殖してしまった。 では、現在、どこまで広がっているのか。ドローンで上空からその様子を撮影した。水面を覆いつくすウキクサ。蛇行する川に沿って上流までドローンを飛ばしてみるものの、その全貌を確認することができない。 ウキクサは、一体どこまで続いているのか。その全貌を確かめるため、ヘリで空へ向かった。小林市の上空から岩瀬ダムを見てみると・・・ (垣内記者) 「ウキクサが川の形にあわせてすきまなく広がっています。そして、その範囲は想像をはるかに超える広さです。繁殖力の強さをうかがえます」 水面を覆いつくすウキクサは、2キロ以上にわたって続いているのが確認できた。 その広さは40ヘクタール、東京ドーム9個分にあたる面積だ。 ここ数か月でその生息域が40倍に拡大したことになる。 県によると、岩瀬ダムでは2010年以降、数回、ウキクサの発生が確認されているそうだが、ここまで繁殖するのは初めてだという。 (都城土木事務所・鏡園義幸課長) 「このように爆発的に増えたのは今回が初めてというような経験になってます。声にならないというかびっくりするの一言ですね」 ■クローンとして繁殖 なぜ、ボタンウキクサが爆発的に増えてしまったのか。 南九州大学環境園芸学部の山口健一教授に現場を見てもらうと・・・ (南九州大学環境園芸学部・山口健一教授) 「ここの特徴というのは一つ一つの個体がかなり大きいので、もしかしたら窒素とか、リン、この雑草が増える栄養素というのがいっぱいあるのかもしれないですね」