あふれる闘争本能を持つS級S班最年少、25歳・眞杉匠が2年連続でKEIRINグランプリの舞台へ挑む
今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。今回はどんな舞台でも攻めの姿勢を貫く眞杉匠を紹介する。(構成:netkeirin編集部)
初動の遅れ取り戻しGII連続V
昨年はGIで2勝を挙げ、念願のS級S班入りを果たした眞杉匠。KEIRINグランプリ2023では初出場ながら単騎戦で3着という結果を残した。 迎えた2024年、練習中に負傷した眞杉は始動が遅れ、初戦は2月の岐阜競輪GI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」で準決勝敗退。初優勝は4月の西武園競輪「ゴールド・ウイング賞(GIII)」。西武園といえば、眞杉にとって昨年GI初制覇(オールスター競輪)した思い出の地だったが、今年前半戦は、この優勝のみで苦しい戦いを強いられた。 しかし夏場から、眞杉の快進撃が始まる。7月の松戸競輪「サマーナイトフェスティバル」と地元開催となった9月の宇都宮競輪「共同通信社杯競輪」でGII連続Vを達成。 サマーナイトフェスティバル決勝では、脇本雄太-古性優作の3番手から強引捲り。共同通信社杯では長距離先行も辞さずの積極スタイルで勝ち上がり、決勝では一転して冷静に8番手まで下げ、俊敏な捲り追い込みでゴール前で古性を差し切った。 ともに、シリーズを通してS級S班にふさわしい走りで、先行も含めたオールラウンダーとしての実力を見せつけた。
「もっと面白いレースを」ヒール役いとわず貫くポリシー
眞杉の魅力は何といっても、強い闘争本能から溢れる攻めのスタイル。今年の青森競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」で見せた走りも、その一端を物語っている。 決勝では、北日本勢4車結束が形成される中、眞杉は「ヒール役」になることをも恐れなかった。後方から上昇した眞杉は北日本の番手・新山響平に外競り。新山も抵抗するものの、何度もアタックしてラインの分断を図る。このとき、眞杉には違反点数が112点あった。だが眞杉は「単調なレースにはしたくない」「もっと面白いレースを」という信念を貫いた(結果は8着)。守りに入らずリスクを恐れない姿勢は、眞杉の競輪に対するポリシーとも言えるのだろう。