2025年注目のインフルエンサー10人 影響力を持つのは「今の自分でいい」というメッセージ
ライターの西澤千央さんが、球団オーナーからユーチューバーまで幅広いジャンルの気になるインフルエンサー10人について語った。AERA2024年12月30日-2025年1月6日合併号より。 西澤千央さんが選ぶ2025年注目のインフルエンサー10人はこちら * * * インフルエンサーの担う役割が「社会へのアプローチ」だと考えたとき、真っ先に浮かんだのが横浜DeNAベイスターズオーナーの南場智子さんです。26年ぶりの日本シリーズ制覇でメディア露出も増えていますが、それとは関係なくファンから深く愛される存在。一言で表すなら、「朝ドラヒロイン的」とでもいうのでしょうか。津田塾大を卒業後、コンサルを経てDeNAを創業し、今はベイスターズのオーナー。グッズを身に着け球場で応援歌を歌う姿が度々話題になる一方で、ビジネスにも余念がありません。就任後はトイレ改修に着手し、女性ファンの心を掴みました。また、ブランドとのコラボグッズ展開などファンの「推したい」欲を刺激しつつ、商売っ気をあまり感じさせないうまさもあります。これまでの球団オーナーにいないタイプの人で、男性社会の球界で存在感を放つ人。女性を中心に、南場さんに憧れる人はますます増えるはずです。 野球関連では、「パテレ」も注目。パ・リーグ6球団の共同出資会社による映像コンテンツで、スポーツ関連でいち早くユーチューブの登録者数100万人を突破したチャンネルです。スーパープレーだけでなく、珍プレーまでマルチアングルで拾い、短い動画でアップする。控えめな印象のあるパ・リーグですが、パテレの現代的な発信力は他のコンテンツビジネスにも波及していくと見ています。 インフルエンサーといえば、キラキラしたイメージがありますが、2025年に影響力を持つのは「今の自分でいい」というメッセージ性を秘めた人。メインストリームではなくとも、自分やファンを大切にし、気づけば支持する人が増えている。その一つが、「バキ童チャンネル」。タイタンに所属する芸人・ぐんぴぃさんが街頭インタビューで話した「バキバキ童貞です」という言葉がバズったことをきっかけに生まれたチャンネルで、176万人が登録。「いじってもいいのか」という考察が生まれるほどの存在ですが、本人はそんな自分を突き放して見ているようにも感じます。NHKの番組にも出演するなど、活躍の場はますます広がりそうです。「怒りを我慢しない」をモットーに活動する美容家のアレン様は、過激なワードをポップに使う姿に度肝を抜かれますが、自分を大切にする姿が女性を中心に支持されています。